著 者:三浦しをん
出版社:徳間書店
出版日:2009年5月31日 第1刷発行
評 価:☆☆☆☆(説明)
著者の本について、いろいろな方のブログで拝見して、読みたいと思う作品がいくつも積み重なっているのだけれど、機会に恵まれず本書が「風が強く吹いている」「まほろ駅前 多田便利軒」に続いて3作品目。ついでに言うと、本書は2010年本屋大賞ノミネート作品。
これは面白かった。たっぷり楽しめた。主人公は平野勇気、横浜の高校を卒業したばかりだ。勉強は「全然好きじゃない」から大学に行くつもりはない、「人生決まっちゃうのかと思うと暗い気持ちになる」ので、就職するのは気が進まない。やりたいことがあるわけでもない。
「甘ったれんじゃねぇ!」と一喝してやりたいようなヤツだけれど、担任の先生はそんな勇気の就職先を決めてきてくれた。「緑の雇用」という国の助成制度を利用して、神去村という三重県の奈良県との県境の山奥の森林組合で林業に従事することに..
勇気が行った神去村の神去地区は住民が百人ぐらい。おしゃれなお店や娯楽施設があるわけはなく、郵便局も学校さえもない。もちろんケータイは「圏外」。こんなところの暮らしに、18才の青年にそうそう耐えられるはずがない。ところが、物語は1年後の勇気のひとり語りから始まる。
物語が持つ雰囲気が瑞々しい。それは、林業という過酷な現場ではあっても、自然と一体となった神去の人々の暮らしが力強く活き活きしているからだ。山の神様を敬い神事を大事にした暮らし。神を身近に感じる出来事も多い。
登場人物たちも抜群に素敵だ。勇気が居候している家のヨキは、野うさぎをタックルして捕まえ、川の大岩を動かして即席のプールを作ってしまう野生児ながら、厳しく温かく勇気を指導する。読んでいて思わず吹き出してしまう部分は、まずヨキが関わっている。
勇気とヨキと一緒に働く「中村林業」の若い社長の清一も巌さんも三郎じいさんも、みんなおおらかで年齢とは関係なく若々しい。ヨキの奥さんのみきと、清一の奥さんの祐子と、隣の地区にある学校の先生と、若い女性がみんな美人なのはお愛嬌だ。美人ぐらいはいなくっちゃ、18才男子は生きる活力が湧かないだろうから。
(2010.9.2 追記)
9月20日から、NHK FMの「青春アドベンチャー」で、「神去なあなあ日常」のラジオドラマをやるそうです。そのことを、「ラジオドラマ「神去なあなあ日常」放送決定」という記事に書きました。
この本は、本よみうり堂「書店員のオススメ読書日記」でも紹介されています。
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o(*^▽^*)oこんにちは。
この物語で、林業の大変さをしりました。それいじょうに、おもしろかった。
携帯を捨てられても、結局、適応した勇気君。想った以上に適応能力があったのね
神去なあなあ日常 三浦しをん
神去なあなあ日常/三浦 しをん
三浦しをん 徳間書店 2009
STORY:
高校卒業後、フリーターをしようと思っていた勇気は、両親と先生に無理やり神去(かむさり)村に預けられる。そこで林業の見習いとして働くことになった勇気は…。
感想:
最近、農業や漁業…
きよさん、コメントありがとうございます。
そうですね、適応能力があったってことですよね。
新幹線に乗って、ローカル線に乗ってと、わけも分からずに送り出された
にしては、目的地までちゃんと行っただけで、勇気は立派だと思います。
それじゃお話になりませんが、途中で「や~めた」と言って、帰って来て
しまうこともできるんですから。
意外と、未知のことを「面白そうだ」と思う余裕もあったんじゃないか
と思います。
こんにちは、松田です。
先日は誕生日にコメントありがとうございました。
わたしのブログに返信コメント書きました通り、いつでもなんでも書いてくださって
結構ですよ!
さて、わたしも三浦しをんさんは気になっていたけれど未読の作家です。
是非読むリストに加えま~~す!
松田朋恵さん、コメントありがとうございます。
「いつでもなんでも」というお言葉をいただいて、とっても嬉しいです。
三浦しをんさんは、まだ3冊しか読んでいないのですが、登場人物たちが
躍動している感じがしてとても好きです。
本書と「風が強く吹いている」がオススメです。(もう1冊は直木賞受賞作で
秀作なのですが、まぁ順番を付ければ3番目ということです)
スポーツマンの松田さんには「風が強く吹いている」が合うかもしれませんね。
先日「テレビ寺子屋」の増田明美さんの回、拝見しました!
林業の世界を
小説「神去なあなあ日常」を読みました。
著書は、三浦 しをん
田舎で 林業をすることになった若者の話
林業、田舎がテーマかな
話としてはオーソドックスだった感じ
若者の成長、青春 ちょっと恋も・・・
田舎の人物のキャラ揃いで
とはいえ、何とも・・・
どうも話の面白みが微妙だったかなぁ
私的には共感できるキャラがいなかったのもイタかったですね
まぁ、林業という仕事を知る良さはありますね
後半の話はけっこう楽しめたのですがね
私的好き度:3−
なんか、ノレなかったなぁ
…
神去なあなあ日常<三浦しおん>−本:2010-25−
神去なあなあ日常クチコミを見る
# 出版社: 徳間書店 (2009/05)
# ISBN-10: 4198627312
評価:88点
高校卒業と同時に、人里離れた林業の村に研修生としていきなり放り込まれた平野勇気、18歳。携帯電話も通じない、山以外は何もない村の中で、否応なしに山に登り木を切り出……
『風が強く吹いている』読みました!
詳しくはブログに書きましたが、陸上経験者のわたしにはいろいろと『来る』ものがありました。
他の作品も読んでみたいと思います!
ご推薦いただき、ありがとうございました。
松田さん、コメントありがとうございます。
ブログの感想も拝見しました。荒唐無稽な設定にも関わらず
気に入っていただけたようで、私も嬉しいです!
陸上経験者の目でみると、彼らの走る姿や思いに、
私とは違ったものが見えるのでしょうね。
三浦しをんさんには、面白い作品が沢山あるそうですが、
私は3冊しかまだ読んでません。
とりあえずこの「神去なあなあ日常」はオススメですよ。
『神去なあなあ日常』
三浦しをん 『神去なあなあ日常』(徳間文庫)、読了。
映画化されたときに、ロケ地になったとして
三重県が一生懸命PR活動をしていましたが、
それほどヒットしなかったような印象が・・・・・残念です。
でも、原作本は売れているので、そちらから挑戦。
神去村という架空の村が舞台ということで、
私はてっきり、その所在自他も架空にしてあるのかと思っていたのですが、
しっかり「……