著 者:森博嗣
出版社:メディアファクトリー
出版日:2006年8月28日 初版第1刷発行
評 価:☆☆☆☆(説明)
著者の作品を読むのは、昨年の夏に「スカイ・クロラ」シリーズの謎解きのために精読して以来9か月ぶり。面白そうな作品がたくさんあるのだけれど、「謎解き」に疲れてしまった後遺症のような感じで何となく敬遠してしまっていた。リハビリではないけれど、できれば楽しくて軽い読み物がいいなと思って手に取ったのが本書。
主人公は、工学部の大学生の郡司朋成、栗城洋輔、真知花梨と、花梨の妹の高校生の玲奈の4人。郡司と栗城は、夏休みに花梨に故郷の鈴鳴村に誘われる。村には「120年後に動き出す」と伝わる絡繰り(カラクリ)の伝説があり、今年がその120年後に当たる。村人の多くは、単なる伝説だとあまり本気にしていないのだけれど、4人はそのカラクリの秘密を探り始める。
主人公4人が揃いも揃ってメカ好きで、歯車に萌えるタイプだし、花梨と玲奈の恩師でもある高校教師の磯貝は、蒸気で動く「自動薪割り機」なんかを自宅の庭で製作している。工作好きの著者のそれぞれの年代を映したかのような登場人物たちだ。(ちなみに私も歯車は大好きだ)
主人公たちが20歳前後の若い世代なのと、鈴鳴村の夏の長閑な風景や青い空が目に浮かぶのとで、ひたすら爽やかだ。淡い恋心や将来への漠とした不安なども抜け目なく語られ、村の名家の確執や秘密や、暗号めいた図形が読者の興味を引く。実に巧みで実に読みやすい。期待通りの作品、つまり楽しくて軽い読み物だった。
※玲奈がいつも首からコーラを下げているけれど、最後まで読むとその訳が分かる仕組みなっています。なるほど...。
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