OL辞めて選挙に出ました

著 者:えびさわけいこ 画:はな
出版社:主婦の友社
出版日:2010年12月31日 第1刷発行
評 価:☆☆☆(説明)

 著者は、2007年に文京区議会議員に立候補し見事当選、現在1期目の議員活動中。公式ホームページの写真を拝見すると、議員さんや作家さんを形容する言葉としては適切ではないけれど、すごくキレイな方だ。
 本書では、医療と福祉のあり方に多くの矛盾を感じた著者が、政治家を志してから、当選するまでの一部始終が、ユーモアたっぷりなコミックエッセイで綴られている。本文にもコラムにも、選挙に関するマメ知識が詰まっている。

 私は、どうしても行けない事情がなければ、投票には必ず行く。選挙運動に参加したことはないが、議員には知り合いもいるし、選挙に対する関心は高いほうだと思う。しかし、候補者が当たり前のように乗っている選挙カーを、どうやって調達しているのかなんて知らない。ポスターやたすきにどんなルールがあるのかも知らない。つまり、知らないことだらけなのだ。
 そういう観点から見ると、本書は、これから政治家を目指そうという人や、著者のようにある時その決意をした人に対する手引書にはなる。しかし、著者の意図はそこにはないようだ。そもそも、そういった手引書なら、コミックではなくもっと実用本位で書いた方が良いだろう。

 では、著者の意図はどこにあるのか?それは、あとがきの最後の一文が雄弁に語っている。それは、「一緒に政治をしていきましょう。」 コミックにしたのは、気軽に読んでもらうため、難しそうな本なんか読まない人にも読んでもらうため、敢えて言えば「若い人に関心を持ってもらうため」だろう。

 その試みは、少しだが確実に実を結んだ。この本を私に紹介してくれたのは、本書のPR活動を行っている学生チームの中の日本大学の学生さんなのだ。(本をもっと前にいただいていたのに、書評の掲載が今になって申し訳なく思っている。)
 「えびさわさんからリアルな政治のお話をきいて、若い世代が頑張らないとまずいんじゃないかな、と感じるようになりました...」ということだそうだ。私は、若い人たちが何かを成さんとしていることを知っただけでも嬉しかった。私ができることなら喜んでお手伝いさせてもらう。

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