著 者:森見登美彦
出版社:新潮社
出版日:2011年1月30日 発行
評 価:☆☆☆☆(説明)
モリミーの最新刊。yom yom、小説新潮、ユリイカといった小説誌に掲載した短編が7編収められた短編集。掲載誌が3誌あって、掲載された時期もまちまちなのだけれど、登場人物たちがほぼ共通しているので、連作短編といって良いだろう。
単行本の刊行順で言うと、本書の前が日本SF対象を受賞した「ペンギン・ハイウェイ」、その前は「宵山万華鏡」。著者の作品と言えば思い浮かぶ「腐れ学生」モノからは、ちょっと距離を置いた作品が続いた。そして本書は..「四畳半神話大系」を彷彿させるタイトルでお分かりだろう。愛すべきダメダメ学生たちが帰ってきた。
最初の一編「四畳半王国建国史」に慄いた。「四畳半王国」の国王が、京都は東山のふもとにある「法然院ハイツ」の一階の四畳半に、いかにして無限の空間を有する「王国」を築いたかが記されている。もちろん妄想が全開した産物だ。著者の作品の愛読者の私も、最初からこのペースで飛ばされたのでは付いて行けない、と思った。巻末の初出一覧で、これが現代思想誌の「ユリイカ」に載ったの知って、再び慄いた。
このように最初の一編はなかなか手強かったが、二編目の「蝸牛の角」以降は大丈夫だ。大丈夫というのは、これまでの著者の「腐れ学生」モノのペースが戻った、ということ。京都の無益な営みに明け暮れる学生(つまり「腐れ学生」)たちが奉じる、「阿呆神」という神様の周辺の物語。詭弁論部や図書館警察などお馴染みの組織や、大日本凡人會、四畳半統括委員会などが活躍(暗躍?)する、著者のメイン路線とも言える作品。
私はとても楽しんだ。登場する黒髪の乙女のセリフが、本書を端的に表している。
「見渡すかぎり阿保ばっかり」
コンプリート継続中!(単行本として出版された作品)
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四畳半王国見聞録
四畳半王国見聞録 森見登美彦著
『四畳半王国見聞録』読了。
よりヘンテコっぷりに磨きがかかっておられます。
この混ぜこぜ感が好きだなあと思います。
森見さんの小説を読むと、京都散策がしたくなり……
四畳半王国見聞録 / 森見登美彦
見渡す限り阿呆ばかり。
「四畳半神話大系」で腐れ大学生ものは極まったとばかり思っていたけれど、ここにきて「四畳半」の世界が極まった感じである。
「大日本凡人會」が一番 …
YO-SHIさん こんにちは。
腐れ大学生ものが戻ってきた!と思ったら、かなり極まってましたね。
なかなかついていくのが難しいと思った凡人です(笑)
阿保ばっかりでしたが、とても愛すべき登場人物達です。
あたたかく見守りたいですね。
たかこさん、コメントありがとうございます。
そうですね。かなり極まって彼らが帰ってきました。
それも、阿呆ばっかりです。
この阿呆たちと一緒にいる女子もいい味出してると
思います。
またまた四畳半の世界
小説「四畳半王国見聞録」を読みました。
著者は 森見 登美彦
いやー まさに森見ワールド
今までの総括とでもいうような・・・
7つの話からなりますが
つながりもあり
そして 今までの森見作品ともリンクがあって
やはりこちらなど他の作品を先に読んでからのほうが……