人生が変わる2枚目の名刺

書影

著 者:柳内啓司
出版社:クロスメディア・パブリッシング
出版日:2013年1月11日 初版発行
評 価:☆☆☆☆(説明)

 出版社のクロスメディア・パブリッシングさまから献本いただいました。感謝。

 前回の「一流役員が実践している仕事の哲学」の記事で予告した通り、今回紹介する本書は前回の「一流役員が~」と同じ出版社さんからいただいた本で、私はこの2冊の方向性が対照的だと思う。

 本書の著者はTBSテレビの社員で、今は放送局のIT戦略全般に取り組んでいるそうだ。しかし本書は、放送業界ともIT戦略とも、ほぼ関係ない。本書は、著者が実践する「2枚目の名刺を持つ働き方(パラレルキャリア)」の魅力を伝える本なのだ。

 2枚目の名刺、パラレルキャリアとは何か?本業以外に「自分がやりたい活動」をすることだ。例えば著者は、テレビ局の社員である傍ら、合計で年間1000人以上を動員する、ビジネス勉強会や交流会の主催をしている。その他には、広告会社に勤めながらマジシャン、銀行に勤めながらWebアプリケーション開発者、投資ファンドに勤めながら途上国の貧困問題に取り組むNPO法人理事長、といった人たちが紹介されている。

 このように本業とは別の活動をすることで、「収入や生きがいを本業一本に頼るリスクを軽減する」「たくさんの縁が生まれる」「人脈や経験が本業に生かせる」といったメリットがある。本書はこのメリットと、成功のためのヒントなどを、分かりやすい文章で解説する。

 どうだろう?前回の「一流役員が~」の「仕事以外何もできない自分を選ぶ覚悟を持つ」とは、好対照ではないだろうか?「リスク軽減」の一点を考えても、本書の方が時代に合っていると思う。とは言え本書は、「本業で他の人以上に成果を出す」ことを繰り返し強調する。甘くはないのだ。

 私は、「本業以外のキャリア」とは多少違うけれど、仕事以外も充実した暮らしをしたいと思っていた。だからせっかく入った大企業だったけれど、その会社は10年務めて転職した。「役員になる/ならない」とは関係なく、暮らしの多くの時間を仕事に割かれ、その会社では自分の思う暮らしができないと思ったからだ。

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