貯金に成功した1000人みんなやっていた 貯金習慣

編  集:マルコ社
出版社:マルコ社
出版日:2013年7月31日 初版第1刷発行 9月5日 第2刷発行
評 価:☆☆(説明)

 出版社のマルコ社さまから献本いただきました。感謝。

 本書は「誰もができて、より効率的な貯金術」をテーマとした本。

 世に貯金をテーマにした本は多いけれど、「誰もができる」という内容のものではないことが多い。そこで本書は、年収300万円以下で貯金に成功している1000人にアンケートを実施して、その貯金術や節約術を調査し、1冊の本にまとめた。実際にやっている人が多ければ、それだけ「誰もができる」に近づくはずだからだ。

 ただし誠に残念なことに、本書には「これは!」というものがほとんどない。「プロが指摘するお金が貯まらない人の特徴」で、「現金が手元になくても欲しいものを買ってしまう」なんて項目があるけれど、プロでなくても分かるだろう。

 節約術も「つけっぱなし・流しっぱなしをやめる」「エアコンのフィルターはこまめに掃除する」などの光熱水費を節約する細々した定番ものと、「返却期限を守り、延滞料金を避ける」という、私には節約以前の問題に思えるものが並んでいる。

 ひとつ気が利いていると思ったのは、節約で「出ていくものを減らす」だけでなく、収入増で「入るものを増やす」という視点を提供したこと。ただしこれもあまり感心しない。「朝の時間を有効に活用」「失敗を恐れずチャレンジ」でスキルアップして出世、ではちょっと説得力がない。「リスクを考えながら投資する」のような、中途半端な投資のススメは危険でさえある。

 世に多い貯金をテーマにした本とは違うものを作ろうとした意図はいい。それなのに、世に多いHowTo本の内容をかいつまんだような本になってしまった。惜しいし残念だ。

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