追風に帆を上げよ(上)(下)


著 者:ジェフリー・アーチャー 訳:戸田裕之
出版社:新潮社
出版日:2015年4月1日 発行
評 価:☆☆☆(説明)

 「時のみぞ知る」 「死もまた我等なり」「裁きの鐘は」に続く、超長編サーガ「クリフトン年代記」の第4部。7部完結とのことだから、これで折り返し地点通過ということだ。

 前作のラストは、クリフトン家の長男であるセバスティアンが乗る車が、3台のトラックに挟まれて、悲劇的な交通事故を起こしたところで終わっている。

 それを受けて、本作はセバスティアンの母のエマが、夫のハリーに、息子の死を告げる電話で始まる。その時エマはイギリス西部の街ブリストルに、ハリーは大西洋を隔てたニューヨークにいた。

 この事故は、エマとハリーを激しく憎悪するペドロ・マルティネスという男が仕掛けたもの。本作は全編を通して、このマルティネス家と、クリフトン家-バリントン(エマの実家)家の対立を描く。

 マルティネス家は偽札作りで財を成したギャングで、クリフトン-バリントンへの憎悪は、悪行の邪魔をされた「逆恨み」。だから「対立」と言っても、マルティネス家の攻撃と、それに対する防御だ。

 ここに「勧善懲悪」の分かりやすい構図ができあがる。単純な構図には良し悪しがある思うが、エンタテイメントとして安心して楽しめるところがいい。上手にハラハラさせてくれるので、退屈するということもない。

 前作「裁きの鐘は」のレビューで、主人公がハリーからセバスティアンに移ったのでは?ということを書いた。本作でそれはもっとハッキリした確信に変わった。冒頭に書いたように本作は7部完結の折り返し地点。まだこの後に「次のクリフトン」が登場するのだろう。

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