著 者:有川浩
出版社:講談社
出版日:2014年4月15日 第1刷発行
評 価:☆☆☆☆(説明)
「だれもが知ってる小さな国」は、有川浩さんが佐藤さとるさんの「コロボックル物語」を書き継いだ作品で、お二人ともが大好きな私にとっては「奇跡」のような作品だけれど、その先駆けとなる本があった。それが本書。
本書は絵本。「コロボックル物語」をストーリーに取り込んだ物語。主人公は小学生の少女、ノリコ。お父さんとお姉ちゃんとで、お母さんのお墓参りに来たノリコの目に、何か小さな影がはねるのが写って...。
絵本なのでストーリーは長くない。「コロボックル物語」にもページが割かれている。だから、あまりたくさん紹介してしまうと、読む楽しみがなくなってしまいそうなので、あらすじはここまでにする。
「だれもが知ってる小さな国」は、まぎれもなく「有川作品」だった(もちろんそれはそれで良い)。それに対して本書は、有川さんがあくまで「コロボックル物語」の一愛読者として、その愛着を描き込んだものだと感じた。そう考えると本書は、佐藤さんの「コロボックル物語」から、有川さんの「だれもが知ってる小さな国」への、絶妙な橋渡しとなっている。
小学生の女の子のことが、きめ細かく描き込まれている。これはもしや有川さん自身のことではないか?と思ったが、その質問の答えは「あとがき」に書かれていた。ノリコに「だれもしらない小さな国」を貸したのはお姉ちゃん。「家族」とか「姉妹」とか、そういうのもいいなぁ、と思った。
コンプリート継続中!(アンソロジー以外の書籍化された作品)
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