ネコの選択

著 者:田中渉
出版社:アチーブメント出版
出版日:2018年4月1日 第1刷 発行
評 価:☆☆☆(説明)

 本書は「選択理論」という「より良い人間関係を築くための心理学」を、ネコの夫婦の危機を老ネズミが救う、という寓話に仕立てて紹介したもの。帯には「2人で実践すれば100%幸せになる!世界50カ国で夫婦の危機を救った話題の心理学」とある。

 私は本書で初めて「選択理論」を知った。本書を読んで私が理解した「選択理論」は次のようなもの。悪化した他人(夫婦も含めて)との関係を改善するためには、相手を変えようとするのではなく、自分の行動を変える。言い換えれば、理想とする姿に近づくための行動を「選択」する。

 その「選択」のために「相手が自分にして欲しいと思っていることは何か?」と問うてみる。ネコの夫婦は「相手にして欲しいこと」はたくさん言えるけれど、「相手がして欲しいこと」はさっぱり分からなかった。「自分はいつも精一杯やっている、これ以上何をしろと言うのか」と思っている。

 「相手がして欲しいこと」を知るためには、「生存の欲求」とか「愛・所属の欲求」などの「五つの基本的欲求」について考えるのだけれど、まぁこれ以上は本書を読むか「選択理論」と検索して調べてほしい。

 正直に言って現実味に乏しい。ネコの夫婦の寓話にしたのは、人間の夫婦の実際の会話とすると、空々しくなってしまうからではないかと思う。でも、とてもいいことが書いてある。人間関係、特に夫婦の関係改善に必要なことは、たぶんこの通りだ。お悩みの方は読んでみるといい。その場合は是非相手の方にも読んでもらおう。

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