55歳からの時間管理術 「折り返し後」の生き方のコツ

著 者:齋藤孝
出版社:NHK出版
出版日:2019年5月10日 第1刷 発行
評 価:☆☆☆☆(説明)

 「そうだよなぁ」「なるほどそうか」「いやそう言われてもなぁ」と逐一言葉が漏れた本。

 著者のことは紹介するまでもないかもしれない。テレビで頻繁にお顔を拝見する。本職は目宇治大学文学部の教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。著書はすごく多くて、Amazonで著者を「齋藤 孝 」として検索したら769件も検索された。また本書を読めば大変な読書量だと分かる。

 なぜ「55歳」なのか?「無理がきかない」といった身体的な変化の他に、社会的な立ち位置も変化が現れる時期だから、と著者は言う。その変化の最大のものが「暇になる」。異論反論は多いと思う。しかし、会社員なら出向とか役職定年とか早期退職の対象になり始める。昇進していれば裁量で時間を作ることも以前よりは可能になる。「仕事一辺倒」の人も「他の選択肢」ができる。

 そして何より60歳という定年を5年後に控えている。55歳から徐々にライフスタイルを変えていけば、スムーズに後半生に移行できる。50歳ではまだ早すぎる。60歳では遅すぎる。そして私は今まさに55歳だ。新聞で本書の広告を見て「55歳」の字から、しばらく目が離れなかった。

 「時間管理術」としては、まずは「時間割」を作ることを提言。要領は、優先順位を1,2,3と付けて1から順にやる。明瞭だ。美味しいものは最後に、という人がいるけれど、人生はいつ死ぬか分からない。だから優先順位1から順に。なんか哀しいけれど明瞭だ。

 続いて優先順位の考え方とか、どういう項目を選ぶか?とか、55歳から先の人生に必要な力は?とかいったことを、著者の経験を踏まえて(著者は今58歳)指南してくれる。冒頭に書いたように「そう言われてもなぁ」ということもあるけれど、だいたいは「そうだよなぁ」「なるほどそうか」と感じる有意義な提言だ。

 その後、後半生を生きる「コツ」や「心構え」などにも話は広がる。その中で、心に残った言葉を紹介する。今後の生活の芯に据えたいと思っている。

 普通の55歳の男性を好きな人なんて1人もいないと自覚したほうが間違いありません。でも上機嫌な55歳なら好かれます。

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