「超」AI整理法

著 者:野口悠紀雄
出版社:KADOKAWA
出版日:2019年6月29日 初版発行
評 価:☆☆☆(説明)

 20年以上経って、また野口先生に教わったな、と思った本。

 「「超」整理法」の著者による「AI時代の「超」整理法」。本書でも少し触れているけれど「「超」整理法」は1993年発行の本で、100万部以上もとにかくすごく売れた本。紙ファイルで保管して、使ったファイルは元の場所ではなくて一番左端に戻す、という「押し出しファイリング」を提案。実は、私は今でもそうしている。なかなかうまく機能している。

 それから26年経って世の中が変わった。特に大きく変わったのが情報技術の発達による変化。コンピュータが使いやすくなった。情報の保管にスペース的な制限がなくなり、事実上無限の情報をため込める。「「超」整理法」は、使わないファイルが自動的に右端に来て「捨てて良い」情報が分かる、という「捨てるための仕組み」でもあったけれど、今は「捨てなくてよくなった」わけだ。

 一方で、個人が扱う情報の量が爆発的に増えて「情報の大洪水」を起こしている。このために「必要な情報が見つからない」という事態は、紙のファイリングの時と同じか、それ以上に深刻な問題になっている。そこで著者の提案は「捨てる努力をせずに、検索できる仕組みを作ることに、努力を振り向ける」ということ。

 具体的には、Googleドキュメントを使う方法を提案。著者には「ポケット1つ原則」というのがあって「どこに入れたか分からない」事態を避けるために、すべてを1カ所に保管する。だから、元々デジタル化されている文書や画像だけでなく、紙の資料は写真を撮って、思い付いたアイデアも音声入力でメモにして、クラウドに保存する。Googleレンズも使う。

 「それはそうなんだろうけれど、実際にできるのかな?」というのが正直な感想。しかし78歳の著者はこれを実践している。その中から得た検索のためのキーワード設定など、細かなノウハウも教えてくれている。できることからでもやる?どうする?

人気ブログランキング「本・読書」ページへ
にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
(たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です