真田丸と真田一族99の謎

書影

著 者:戦国武将研究会
出版社:二見書房
出版日:2015年10月31日 初版発行
評 価:☆☆☆(説明)

 来年のNHK大河ドラマのタイトルは「真田丸」。信州上田を本拠とする真田氏の物語。真田氏は地方の小勢力ながら、群雄割拠の戦国時代を生き抜いた一族。中でも真田信繁(幸村)は、大坂夏の陣で家康を追いつめ、その後永らく戦国のヒーローとして勇名を馳せている。

 この大河ドラマ「真田丸」の放映を前に、「真田氏本」というジャンルができるのではないか?と思うほど、真田氏関係の出版が相次いでいる。本書もその一つで、真田一族についての様々なエピソードを紹介・検証した本。

 著者は「戦国武将研究会」という、日本史好きのライター、編集者、作家、武将マニアなどが集う団体。つまり「好き」でやっている人たちらしく、文章の端々から戦国武将への思い入れの「熱」を感じる。

 逆に言えば、歴史研究の専門家ではないので、「検証」の部分については、少し疑問を感じるものもある。ただし、荒唐無稽なものはない。あくまでも真面目に誠実に調べたものだ。真田氏については残された史料が少ないこともあって、断定できないことがあるので、そのあたりが気になっただけだ。

 実は私は、仕事で真田氏について研究者からお話を伺うことも多く、自分自身でも調べている。そんなわけで「検証」の部分に少し引っかかりを感じた。その「引っかかりがある」ことを認めた上で、本書は真田氏に関する話題が網羅的に、且つとてもコンパクトにまとまっていて良い本だと思う。大河ドラマの予習に打ってつけの一冊だ。

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です