著 者:ポールスチュワート 訳:唐沢則幸
出版社:ポプラ社
出版日:2003年3月第1刷
評 価:☆☆☆(説明)
崖の国物語4巻「ゴウママネキの呪い」の主人公クウィントの、4巻に先立つ物語。崖の国物語の各巻が400~500ページの大部の物語であるのに対し、この外伝が120ページしかない。短編と言っても良いかもしれない。
本書では、クウィントの父「風のジャッカル」が登場する。というより準主人公だ。クウィントは1~3巻の主人公トウィッグの父「雲のオオカミ」だから、これで空賊の三代記になるわけで、著者の考えもその辺りにあるのだろう。(ストックしてある本巻のどこに収まらなかったエピソードの一つを切り離して本にしたのではなくて)
ページ数が少ないのでサッサと読めてしまった。訳者あとがきには、トウィッグの冒険1~3巻と4巻の橋渡し的な意味合い、と言っているが、4巻との関連はあるが、1~3巻とはつながらない。
崖の国物語の世界観が気に入っている人には良いかも。小さなエピソードが積み重なることで、世界観の細部が出来上がっていくから。例えばトールキンの「シルマリオンの伝説」のように。
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