明日4月11日(火)が本屋大賞の発表日です。今年は10作品がノミネートされていますが、そのうちの8作品を読みました。
読んだのは「i(アイ)」「暗幕のゲルニカ」「桜風堂ものがたり」「コンビニ人間」「ツバキ文具店」「罪の声」「蜜蜂と遠雷」「夜行」です。読んでいないのは「コーヒーが冷めないうちに」「みかづき」です。
全部は読んでいないし、これまでいいセンは行くけれど当たったことがないのですが、今年も、私の予想を発表します。
大賞:「暗幕のゲルニカ」 2位:「蜜蜂と遠雷」 3位:「罪の声」 4位:「桜風堂ものがたり」
「暗幕のゲルニカ」は、19世紀と21世紀、現実とフィクションが行き来する構成が見事で、とても上質な読み物になっていました。それに加えて「反戦」を象徴した「ゲルニカ」の時代背景や制作意図を取り込むことで得た、今の時代へのメッセージ性を評価して大賞にしました。
「蜜蜂と遠雷」は、「暗幕のゲルニカ」とどちらにするかすごく迷いました。著者の描写力の高さが発揮されていて、作品としての完成度が抜きんでていると感じました。ただし既に直木賞を受賞しているので、それを追認するのでは書店員さんが選ぶ意味がないのではないかと思いました。実際のところ、直木賞受賞作が本屋大賞を受賞した例は、これまでにはありません。
「罪の声」は、昭和の大事件をテーマとした作品で、「本当に「こうだったかもしれない」と思わせる読み応えがありました。この作品で山田風太郎賞を受賞していますが、まだデビュー5年ということで、書店員さんが発掘して世に出た、ということになるのではないでしょうか?
「桜風堂ものがたり」は、売れる本を発掘する才能がある書店員が主人公。同僚たちも書棚づくりに熱意を持って取り組む。まさに「本屋大賞の心」を持った人たちの物語。完成度も高く、心を打つ場面もあり、きっと上位に入ってくるでしょう。
—-2017.4.12 追記—-
大賞は「蜜蜂と遠雷」に決定しました。2位「みかづき」3位「罪の声」4位「ツバキ文具店」と続きます。3位の「罪の声」が的中しましたが、その他は外れました。直木賞とのダブル受賞は、少し前までは「あるかもしれない」と思っていたのですが、ずっとないので「ないものだ」と思ってしまいました。
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