バウンダーズ この世で最も邪悪なゲーム

書影

著 者:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 訳:和泉裕子
出版社:PHP研究所
出版日:2004年11月24日1版1刷
評 価:☆☆☆(説明)

 「バウンダーズ」とは「故郷に向かう者」という意味。
 世界は無数に存在するのだけど、それら全部が実は、「あいつら」が遊んでいるシミュレーションゲームなんだ、という設定。そして、そのことを知ってしまったゲームの世界の住人(つまり私たちのような普通の人)は、「ランダム要素」と呼ばれて、他の世界へムリやり放り込まれて、自分の元いた世界へ戻る旅をしなくてはいけない「バウンダーズ」になる。主人公はそのバウンダーズの1人、イギリスで生まれた少年ジェイミー。

 これまた、パラレルワールドものなんだけれど、今度のは悪魔のような存在である「あいつら」が、慰みでやっているゲームのための世界なので、ひどい物もある。「戦争ばかりやっていて人類が死滅しそうな世界」とか、「人々に全くモラルがない世界」とか。(悪魔ではない私も、シムシティでわざわざ災害を起こしたことがある。そのぐらいの気軽さで、とんでもない世界を作ってプレイしているわけだ。)

 主人公たちは、「あいつら」の気まぐれで、色んな世界に放り込まれる。しかも、その世界でうまく生きていかなくてはならない。しかも、どんな悲惨な目にあっても死なないことになっている。ただただ辛い、痛い、苦しいだけ。

 途中までは、この世界の秘密が徐々に明らかになっていったり、他のバウンダーズたちとの出会いがあったりで面白い。そして、最後に世界の秘密がすべて明らかになり、主人公にも重要な役割があるのだけれど、ちょっと難解だ。
 私は一読しただけでは分らなかった。読み返してみてもすっきりしないところがあるんだけど。

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2つのコメントが “バウンダーズ この世で最も邪悪なゲーム”にありました

  1. のんきんぐ

    この作品、面白そうですね。

    お話の構想自体は今やかなりありがちな気もするけれど、ありがちかどうかと面白さは必ずしもリンクしないですからね。

    でも☆3つか~。読むかどうか迷うところ。

  2. YO-SHI

    のんきんぐさん、コメントありがとうございます。

    ☆3つは「自分としては、まぁ楽しめた。興味のある人はどうぞ。」なので、面白そうだと思われたのなら、手にとってみてください。
    (面白くなくても「私の時間を返せ~」とか言わないでくださいね。)
    ただ、後半にかけて少し難解になるので、ゆっくり読んだ方がいいかも。

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