著 者:R.A.サルバトーレ 監修:安田均 訳:笠井道子
出版社:アスキー
出版日:2003年1月1日 初版発行
評 価:☆☆☆☆(説明)
久しぶりの海外ファンタジー。とても評価の高い作品。読んでいてワクワクした本。
4年ほど前に「ダークエルフ物語 ドロウの遺産」という本を読んで、ファンタジーの王道といった感じで面白かった。ただ、その本は第3シリーズの1冊目だった。本書は時系列で並べた場合のシリーズ1巻目。
主人公はドリッズト・ドゥアーデンという名のダークエルフ。ダークエルフというのは、およそ5千年前に地上を追われて、地下の暗黒世界に棲むエルフ族。その暗黒世界の街メンゾベランザンでは、陰謀や裏切りが(成功さえすれば)賞賛される。家系による序列が存在し、それ故に家系間の争いが絶えない。
ドリッズトは、第10番目の家系でドゥアーデン家が、第4番目のデヴィーア家を滅亡させた日に、ドゥアーデン家の第三皇子として生まれた。その日、ドゥアーデン家は第9番目の家系となり、ドリッズトは第二皇子になった。デヴィーア家との戦いのさなかに、第二皇子が第一皇子を殺したからだ。陰謀や裏切りが賞賛されるのは、家族の間でも例外ではないのだ。
物語は、ドリッズトが生まれ、父でもある剣匠ザクネイフィンに、剣士としての手ほどきを受け、学園生活を経て一人前の戦士となる過程を描く。実は、ドリッズトはメンゾベランザンの価値観に染まらず、善なる心のままに育つ。それ故に、家族ともザクネイフィンとも衝突し、この街での生きずらさを抱えている。
シリーズ1巻目、ということで、まだ物語の幕が開いたばかりだ。それでも魔法あり、剣技あり、魔獣の召喚あり、種族あり、ダンジョンあり..。シリーズ1巻目からファンタジーの王道だった。4年前に読んだ本の「ダークエルフってなんなの?」「ドリッズトはなんでこんな立場なの?」が、完全に解消した。これから1巻ずつ読んでいこうと思う。
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