執 筆:有限会社verb
出版社:マルコ社
出版日:2012年6月30日 初版第1刷発行
評 価:☆☆☆(説明)
出版社のマルコ社さまから献本いただきました。感謝。
ソーシャルメディアやメールなどで、「文字」によるコミュニケーションが増えた。しかし「会話」の重要性が、それほど減少したわけではない。友達や家族などの大事な人との会話、同僚や顧客などとのビジネス上の会話。多くの場合、私たちは日々会話をして、様々な関係を維持したり進展させたりして暮らしている。本書は、そんな「会話」の技術について書かれたものだ。
「はじめに」に、例えばこんなことはないですか?と書かれている。「相談に乗っているつもりなのに、なぜか相手が不機嫌になっていく」..あるある、私にはある。会社での悩みを打ち明けられて、「それなら、まずこうしてから、次にこうしてみたら?」なんて、アドバイスしていたら相手が怒り出した。
本書によると、悩みの相談に対して「アドバイスしてはいけない」のだそうだ。実は私も度重なる失敗によって、このことには気が付いた。今ではこの意見に全面的に賛同する。相手がアドバイスを求めていることがはっきりしていれば別だけれど、悩みの相談にアドバイスは禁物だ。何で?と思った人は本書から得るものが多いだろう。
本書は、こうした悩みの相談などの比較的シリアスな場面での「聞く技術」を47個、「話す技術」を10個紹介している。「聞く」方が多いのは、本書が「聞く専門家」である、プロカウンセラーへの取材を基にして作られたからだろう。しかし、会話には「聞く技術」が重要だということも、本書を読めばよく分かる。
考えてみれば、プレゼンテーションの研修など、「話す」訓練の機会は目にするが、「聞く」ための訓練というのはほとんどない。
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