終わりの日 黙示録の預言

著 者:スコット・マリアーニ 訳:高野由美
出版社:エンジン・ルーム/河出書房新社
出版日:2012年8月30日 初版発行
評 価:☆☆☆(説明)

 発行元のエンジン・ルームさまから献本いただきました。感謝。

 「消えた錬金術師」「モーツァルトの陰謀」に続く、「ベン・ホープ」シリーズの第3弾。

 主人公ベン・ホープは、誘拐された子どもの救出を生業としていた。前作までは..。前作「モーツァルトの陰謀」の悲しすぎる結末の後、ベンは生きる希望を失い、自分に銃口を向け死の瀬戸際まで行って踏みとどまる。「今日はその日じゃない」と言って。ベンは仕事から足を洗い、かつて志した神学の道へ戻る。

 そして神学の道を究めるべく研究に没頭する...という話ではない。当たり前だ。帯には「バイオレンス・ミステリー」という言葉が躍っている。足を洗ったはずの世界に否応なく引き戻され、暴力が支配する局面に飛び込んでいくことになる。

 物語は、聖書にまつわる重大な秘密を知った、若い女性聖書考古学者の救出を描く。危機一髪に次ぐ危機一髪。それをある時は機転を利かせて、別のときは銃撃戦の大立ち回りをして脱出する。前作までよりパワーアップしているように思う。ジェットコースターに乗ったように、読者は途中で降りられない。500ページ以上の大書だけれど、ラストまで一気読みということもあるだろう。

 ただ、ベンがあまりにタフで、少し人間離れしてしまった感がある。悪役がとことん醜悪に描かれていることや、たくさんの人が死んでしまうことなどと合わせて、ちょっと度が過ぎるように感じる部分もある。そこのところは、スーパーヒーローには何でもアリ、と割り切った方が楽しめそうだ。

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