いたずらロバート

著 者:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 訳:槙朝子
出版社:ブッキング
出版日:2003年11月1日 初版発行
評 価:☆☆☆(説明)

 ファンタジーの女王、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの小品。

 主人公はヘザー。かつての貴族の邸宅に住んでいる少女。と言っても、ヘザーの家がお金持ちなのではない。メイン館という12世紀に建てられた館を、今はナショナルトラストが管理していて、一般の見学者に開放している。ヘザーの両親がそこの管理人として住み込みで働いている、というわけ。

 地所の端にある築山は、その昔に魔法を使ったとして処刑された男の人の墓だと言われている。その男の呼び名が「いたずらロバート」、つまり本書のタイトル。おどろおどろしい言い伝えの割には、親しみが湧く名前だ。

 言い伝えには、ヘザーが知らない続きがあって、築山のそばでロバートの名前を呼ぶと、ロバートが出てきてしまうそうだ。そんなこと知らないから、ちょっとむしゃくしゃしたことがあったヘザーは、大声でロバートを呼んでしまう。そして、言い伝えは本当だった。

 「いたずらロバート」と呼ばれるだけあって、ロバートはいたずら好き。見物客やら庭師やらがそのいたずらの被害にあう。当人たちにとっては「いたずら」で済まないんだけど、まぁ無邪気にいろいろとやらかしてくれる。

 本書には、著者の多くの作品に見られる捻った展開や辛口のユーモアはない。まぁ安心して読める「子ども向けの物語」と言える。

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