著 者:上橋菜穂子
出版社:偕成社
出版日:2011年6月 初版第1刷
評 価:☆☆☆(説明)
本のタイトルがすべてを語っている。本書は「精霊の守り人」から始まる「守り人」シリーズ全11巻(本編10巻+外伝1巻)の世界を余すところなく紹介したガイドブック。
まず内容をざっと紹介する。「新ヨゴ皇国」「カンバル王国」他の「守り人」の舞台となった5つの国の地理と歴史や神話。生物や食べ物、薬草など150項目余りの用語集。150人余りを収録した人物事典。上橋菜穂子さんの対談と講演録など。
さらに「上橋菜穂子全著作紹介」として、デビュー作の「精霊の木」以降、「獣の奏者」「弧笛のかなた」など「守り人」以外のファンタジー作品はもちろん、上橋さんの文化人類学者としての著書「隣のアボリジニ」も紹介されている。実に盛りだくさんな内容だ。
11巻に亘って描かれた「守り人」シリーズは、主人公がバルサとチャグムの2人で、5つの国を舞台とし、本編で7年の月日が経過する。地理的にも時間的にも広大な物語空間を擁する壮大なドラマとなっている。それを考えると、本書のような「ガイドブック」は、意義も必要性も少なからずある。
最近は人気作家や人気シリーズの「ガイドブック」が少なくないが、率直に言うと、作家やシリーズの人気に乗っかって売ろうとしているだけに思えるものもある。しかし例えそうであっても、ファンにとっては気になって仕方ない。特に「これでしか読めない」特典などあればなおさらだ。
本書にも「書き下ろし短編」が収録されている。「守り人」の話を全部読みたい、と思っている私は、これを目当てで買ったようなものだ。ごくごく短い物語で、私としてはもう少しでいいから長いものを読みたかった。そうしたら何と、上橋さんと佐藤多佳子さんの対談の中で、「炎路の旅人」という未発表の作品の存在が明かされているではないか。あぁ、それも読みたい。是非とも何らかの形で発表して欲しい。
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