著 者:三浦哲郎
出版社:毎日新聞社
出版日:1981年8月15日発行
評 価:☆☆☆(説明)
劇団四季のミュージカル「ユタと不思議な仲間たち」の原作。
ユタは、東京から青森の田舎に来た転校生、勇太。不思議な仲間とは、江戸時代から明治まで、飢饉の時に「間引き」された子どもたちの魂が、あの世に行かずに残ったという「座敷わらし」たち。田舎の子どもたちの仲間に入れないユタを、座敷わらしたちが助ける、といったストーリー。
座敷わらしには不思議な力があって、梅雨入りと明けを言い当てたり、鐘の音の輪につかまって遠くまで飛んだりすることができる。ユタは自分で体を鍛えて、座敷わらしたちについていく。すっかり逞しくなったユタ。ユタは村の生活にも溶け込んで...。
座敷わらしたちは、もちろんそれぞれに悲しい生い立ち(実は、生まれた日に死んでいるので、厳密には生い立ちと言えるものもない)を背負っているのだが、悲壮感や恨みが感じられない。生きている者への暖かい心さえ感じられる。
「生きているってことは、それだけで大したいいものなんだぞ。生きているってことを、当たり前のことだと思って無駄に過ごすんじゃない。思い切り大事にするんだ」
(四季のミュージカルから)
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