1Z.その他ファンタジー

ユタとふしぎな仲間たち

書影

著 者:三浦哲郎
出版社:毎日新聞社
出版日:1981年8月15日発行
評 価:☆☆☆(説明)

 劇団四季のミュージカル「ユタと不思議な仲間たち」の原作。
 ユタは、東京から青森の田舎に来た転校生、勇太。不思議な仲間とは、江戸時代から明治まで、飢饉の時に「間引き」された子どもたちの魂が、あの世に行かずに残ったという「座敷わらし」たち。田舎の子どもたちの仲間に入れないユタを、座敷わらしたちが助ける、といったストーリー。
 座敷わらしには不思議な力があって、梅雨入りと明けを言い当てたり、鐘の音の輪につかまって遠くまで飛んだりすることができる。ユタは自分で体を鍛えて、座敷わらしたちについていく。すっかり逞しくなったユタ。ユタは村の生活にも溶け込んで...。
 座敷わらしたちは、もちろんそれぞれに悲しい生い立ち(実は、生まれた日に死んでいるので、厳密には生い立ちと言えるものもない)を背負っているのだが、悲壮感や恨みが感じられない。生きている者への暖かい心さえ感じられる。

「生きているってことは、それだけで大したいいものなんだぞ。生きているってことを、当たり前のことだと思って無駄に過ごすんじゃない。思い切り大事にするんだ」
(四季のミュージカルから)

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Harry Potter and the Order of the Phoenix(ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団)

書影

著 者:J・K・Rowling
出版社:ARTHUR A LEVINE BOOKS
評 価:☆☆☆☆(説明)

 ベストセラー小説「ハリーポッター」シリーズの第5巻。日本語のタイトルは「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」というらしい。友達から洋書を借りて読んだ。870ページの大作。日本語版は3分冊になるかもしれないという。いやぁ良く読み終えたものだ。
 読み応えはあったが、事件は起きない。なかなか起きない。終盤になって大乱闘とも言えるアクションシーンがあるが、それまではまるで学園ドラマのようだ。いじわるな先生が登場し、デートに失敗したり、先生に隠れて集まったり、試験や卒業後の進路を考えたり...。そういえば、ハリー達も15-6才、青春真っ只中なのだ。
 アンブリッジという意地悪な先生を登場させて、学校をかき回し、ハリーをいじめ抜くことが、ストーリー上必要であるのか、ちょっと疑問。おかげでハリーの心は暗く鬱積していき、ストーリー全体に鬱々としたトーンが漂う。読んでいてストレスが溜まった。
 前巻で復活を果たした闇の魔王は、取り巻きを取り戻して態勢を整え、同じく前巻で決裂したダンブルドアと魔法省は、この一巻と大きな犠牲を費やして関係を修復する。いよいよ次回から全面戦争に突入かと期待しよう。

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