天の鏡 失われた文明を求めて

著 者:グラハム・ハンコック (訳:大地舜)
出版社:翔泳社
出版日:1999年3月5日
評 価:☆☆☆(説明)

 ハンコック氏のエジプトのピラミッドとスフィンクスに関する主張をさらに拡大して、地球上の他の巨石文明(アンコールワット、アステカ、マヤ、イースター島etc.)やナスカの地上絵などとの関連を論じた書。A4変形版のオールカラー320ページにもなる大書だ。
 著者がここで論じているのは、地球上の謎の巨石文明には、残された神話が似ている(海から白人の特徴を持った神が来て、その文明を作った。etc.)こと、春分秋分、夏至冬至など日の出日の入りなどの角度と深く関わっている、といった共通点があること。さらには、それぞれの年代が数千年単位で離れていて、直接の交渉がないため、共通の源流となる遥か昔の文明の存在が推測されることなどである。
 この本を読む限りは、確かに神話は酷似しており、各々の文明に天文学的な知識が反映されているのは偶然とは思えない。故に、何か共通の源流を有するのではないかという説には説得力もあるように思える。
 しかし、歳差運動から導かれる72という数はともかく、1.5倍した108や、4分の3した54という数までが、歳差運動を表しているとして、色々な文明を結びつけようというのはどうか。途端にこじ付けっぽくなってしまう。72=8×9で2の3乗×3の2乗なんだから、やろうと思えばほとんどの数が関連付けられるじゃないか。
 しかし、地球1周分の取材力はスゴイ。なんという行動力だろう。

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