アーサー王と円卓の騎士 サトクリフ・オリジナル

著 者:ローズマリ・サトクリフ (訳:山本史郎)
出版社:原書房
出版日:2001年3月3日初版
評 価:☆☆☆(説明)

 アーサー王伝説とは、5世紀にイギリスからローマ軍が引き上げた後の混乱を納め、異民族の侵入を止めた英雄的人物と、ケルト的な魔術世界が生んだヒーロー伝説。だから、英雄的な人物は存在したと見られるものの、アーサー王その人は架空の人物。
 また、民話的な各地の伝説が集合したものであり、1つの決まったストーリーではなく、多くのエピソードの集合体のようになっている。その中で、アーサー王の下に集まった勇敢で高潔な騎士150人のことを「円卓の騎士」と呼び、数多くの逸話を生む格好の枠組みとなっている。
 本書は、13の逸話が収められている。個々の話もまぁまぁ、全体もまぁまぁである。取り立てて言えば、前半のアーサー王の誕生から、円卓の完成までは筋が通っていて面白く読める。実は、この部分は著者のオリジナルが多く占めるらしい。なるほど、なんとなく納得。
 それにしても、騎士というのは簡単に決闘なってしまい、だから簡単に殺し殺されてしまうが、慈悲を乞われると簡単に許す。実に潔い。

 にほんブログ村「ファンタジー」ブログコミュニティへ
 (ファンタジー小説についてのブログ記事が集まっています。)

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です