崖の国物語4 ゴウママネキの呪い

著 者:ポールスチュワート 訳:唐沢則幸
出版社:ポプラ社
出版日:2002年11月第1刷 2002年12月第2刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 1~3巻でトウィッグという少年を主人公とした話は終わり、この巻は、トウィッグの父親である「雲のオオカミ」ことクウィントの青年時代を主人公とした話だ。序章の最後に「幾千の物語が眠っている・・・・・これから始まる物語もそんな物語の一つにすぎない」とあるように、時代や主人公を変えて、数多くの物語が紡ぎ出されるのだろう。今時点で、7巻まで発行されている。

 深森、薄明の森、泥地、地上町…、と広大な崖の国の中で、今回の舞台は神聖都市サンクタフラスクだけだ。この閉ざされた狭い場所を舞台として500ページ超の話を間延びせずに作れるのだから、著者のストーリーテリングの力はホンモノだ。今回も面白かった。

 ストーリーは、時の最高位学者リニウスが、古代の学者の研究をひもとき、密かに「大いなる仕事」を成し遂げる。しかし、それが悲劇の始まり。
 クウィントと、リニウスの娘マリス(トウィッグの母だ)などの登場人物が生き生きとしている。後半部分のヤマ場は、今までにない盛り上がりを見せているし、500ページを苦もなく読むことができる。

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