王国の鍵2 地の底の火曜日

著 者:ガース・ニクス 訳:原田勝
出版社:主婦の友社
出版日:2009年8月31日 第1刷発行
評 価:☆☆☆(説明)

 主婦の友社さまから献本いただきました。感謝。

 「王国の鍵」シリーズの第2弾。前作「アーサーの月曜日」で偶然に創造主の後継者として選ばれた主人公のアーサー。異世界である「ハウス」の支配者の一人「マンデー」との闘いの末、第一の鍵を手に入れて現実世界に戻って、恐ろしい伝染病から街を救った。しかし、ホッとしたのもつかの間で、すぐに「チューズデー」の挑戦を受けることになった。
 もうお分かりのように、闘うべき相手は「マンデー」から「サンデー」までの7人いて、手に入れるべき鍵も7つある。マンデーが現実世界に手を出せるのは月曜日だけ、チューズデーは火曜日だけ..という決まりがある。一見すると何とか1日しのげば攻撃をかわせそうに思うがそうではない。次の日の相手が手ぐすねを引いて待っているからだ。アーサーの戦いは日替わりで相手を変えて続く。なんと過酷なことか。

 今回の相手のチューズデーは冷酷で筋骨逞しい大男。「ハウス」の「地底界」のさらに下で、労働者たちに採掘の重労働を強いている。そして部下のグロテスク兄弟(なんという名前だ)に命じて現実世界の経済を大混乱させて、第一の鍵を渡さなければアーサーの家族を破滅させる、と脅しをかけてきた。
 第一の鍵のおかげで少しは魔力が備わったとは言え、アーサーは普通の少年。端っから勝てそうにないし、実際何度も絶望的な状況に陥る。でも要所要所で協力者に恵まれて(冷酷なチューズデーは人気がないのだ)...というストーリー。

 都合が良すぎる展開、と言ってしまうこともできる。でも、敵役も含めて多彩なキャラクターと起伏のあるストーリーは楽しかった。そしてアーサーは、偶然に選ばれただけの運命なのにそれを受け止めたばかりでなく、普通の人間でありたいと思いある決断をする。アーサーしてみれば「都合が良すぎる」なんてとんでもないのだ。

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