著 者:田原実 絵:西原大太郎
出版社:インフィニティ
出版日:2009年12月14日第1刷発行
評 価:☆☆☆(説明)
株式会社インフィニティ・志経営研究所様から献本いただきました。感謝。もっと前にいただいていたのですが、紹介が今になってしまいました。
タイトルから分かるように、以前に紹介した「テラ・ルネッサンスI」の第2弾。「「心を育てる」感動コミック」シリーズとしては、「かっこちゃんI」などにつづく6冊目の作品となる。今回もウガンダやコンゴでの元子ども兵支援や、カンボジアでの地雷除去支援などを行っている、NPO法人テラ・ルネッサンスと理事長の鬼丸昌也氏の活動が綴られている。
ここで語られている真実は、私たちの(少なくとも私の)想像力を越えている。冒頭登場する少女は、ツチ族とフツ俗の民族対立に巻き込まれ家族をなくし、森の中や難民キャンプでの悲惨な境遇の中を一人で生き抜いてきた。他の男性たちは、子ども兵として戦い、足を失ったり視力を失ったりして故郷へ戻るものの、「人殺し」とののしられる。
しかし今は、テラ・ルネッサンスの現地スタッフとして、かつての自分と同じような境遇の子どもたちを支援したり、技術を身につけて生計を立てたりしている。絶望の淵から這い出してきて、希望を見出して自分と家族の生を歩んでいる。
「人生は要約できねえんだよ」とは、伊坂幸太郎さんの作品中のセリフだが、彼らの人生をこの本書が要約し、さらにそれを私が要約したこんな文章では、何ひとつ伝わらない。せめて本書を読んで想像力を振り絞れば、彼らの人生を少し理解できるかもしれない。
テラ・ルネッサンスの活動は「無力感」との戦いでもある。世界には推定7000万個とか1億2000万個と言われる地雷を1つづつ破壊していく地雷除去の活動はもちろん、元子ども兵は30万人いると言われ、救える人数を上回る人数の新たな子ども兵が日々誕生している現状は、ほとんど何もできないに等しく感じる。
しかし「微力ではあるが、無力ではない」それが鬼丸氏がこの活動を始めた想いで、おそらく今も精神的支柱なのだ。この言葉は、我々にも問いかける。「どうせ何も変わらない」ではなく、自分ができる「微力」を尽くそう。少しの時間とかお金とか能力とか、それを誰かのために使おう。
人気ブログランキング「本・読書」ページへ
にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
(たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)
はじめまして。
私も以前から、自分の収入のうち少しだけでも、誰かの役に立つことに
使用しないと・・・と思いつつ毎日に流されてました。
でも、今年は心機一転「ワールドビジョン」に参加しました。
決して裕福な私ではありませんが、少しぐらいこの世の役に立たねば!
本当に微力ですが・・・。
たろ~んさん、コメントありがとうございます。
「ワールドビジョン」のことは知りませんでした。
ボランティアの国際NGOなんですね。
サイトを見てみると「”何もかも”はできなくとも、”何か”はきっとできる。」
と書いてありました。考え方としては「微力ではあるが、無力ではない」と
似ていますね。
■書評■ 鬼丸昌也さんの挑戦 テラ・ルネッサンス 2
先日紹介した鬼丸昌也さんの著書『こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した』の内容を、コミック形式で伝えてくれる本。
株式会社インフィニティが刊行する「『心を育てる』感動コミック」というシリーズの第6弾であり、僕は未読ながら、鬼丸昌也さんのテラ・ルネッサンス…