書いて稼ぐ技術

著 者:永江朗
出版社:平凡社
出版日:2009年11月13日 初版第1刷
評 価:☆☆☆(説明)

 本のタイトルは時として、その読者を如実に表してしまう。「パティシエになるには 」という本の読者は、パティシエになりたい人に違いない。同じように本書の読者は「書いて稼ぎたい」人に違いないのだ。そう、私は「書いて稼ぎげる」ようになりたい。だから1年ぐらい前にこの本を買ったのだけれど、なぜか気後れしてしまって、今まで読まずにいた。

 「書いて稼ぐ」と言っても、私は「ライター専業で食っていく」ということを考えているのではない。安くてもいいので、私の文章で何がしかの対価をいただけないか?ということなのだ。本書の著者も書店員をしていて、お客さんの編集者から「ウチの雑誌で本の紹介を書かないか」と誘われた副業が始まりだという。あぁ、私も誰か誘ってくれないだろうか?(関係者の方、連絡をお待ちしてます)

 私の希望(野望)はここで置いて、本書について。ライターという仕事に必要なことが一通り書かれている。「まずは名刺をつくりましょう」から始まって、営業の仕方、企画書のノウハウ、メモ術やアイデア術の発想術、取材のABC...とても実践的な内容だ。特に「単著(著作)があると信用度が違う」というあたりはなるほど、と思った。(そして「それじゃ自費出版でなら..」と思った私は甘かったことが、すぐに分かるのだが)

 ただし「文章の書き方」は本書にはない。それは類書を見てくれ、ということもあるし、それより大事なことがある、という意味もある。「書いて稼ぐ技術」とは文章の技術ではなく、如何にしてライターになるか、そして続けていくか、のための諸事のことだ。もっと言えば処世術とも言える(本書Part3のタイトルは「世渡りのしかた」だ)

 本書を読めばライターになれる、とは言えないが、ライターになるつもりなら読んどいた方がいい、とは言える。

 この後は、書評ではなく、この本を読んで思ったことを書いています。お付き合いいただける方はどうぞ

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 少し前に読んだ「希望のつくり方」から「植松電機I」「水域」そして本書と、コミックあり小説あり実用書ありで、種類はバラバラなのですが、意図しない1本のテーマが見えていました。それは「希望」です。

 「希望のつくり方」は言うまでもありません、「植松電機I」は小学生のころからの「希望」を実現した話、「水域」では「希望」のない中での「生きる意味」を感じました。そして本書は、気恥ずかしくなるほど率直な私の「希望」

 意図しなかったのはこの一連の「希望」つながりだけではありません。この時期に本書を読むつもりはなかったんです。本文にも書いたように本書は1年も前に買ったものです。それからずっと本棚に置いてあったのですが、先日本棚の前を片付けていたら、本書の背が目の端に留まったんです。

 それで、何だかこの一連の「希望」つながりが偶然ではないような気持ちになって、こんな文章を書いているわけです。それからこの度、本好きのためのSNS「本カフェ」で、「書評の書き方教室」の先生役をやることになりました。他人に教えると自分にも力が付く、と言いますが、これは「書いて稼ぐ」私の「希望」に向かっての前進なのでしょうか?

 いや、この教室がまだどうなるかも定かではないように、前進なのか寄り道をしているのか今は分かりません。ただ何かが動いている感じがしています。

2つのコメントが “書いて稼ぐ技術”にありました

  1. なんちゃって読書人

    書いて稼ぐ・・なんて魅力的な響きなのでしょうか(笑)

    私もブログを書いていますが、特にお金儲けをしようという
    野望は今のところはありません。

    ただ、読書というものを通じて、自分がどこまで成長できる
    のか、またどこまでコミュニケーションを広げていけるのかが
    この頃の私の中でのテーマになっています。

    と言ってみたものの、まだまだブログも始めたばかりなので
    多数の人に影響を与えるなんて、それこそ野望なのかもしれ
    ませんが、今はただ書き重ねるのみです!

    「書評の書き方教室」がんばってくださいね!

    これらもよろしくお願いします。

  2. YO-SHI

    なんちゃって読書人さん、コメントありがとうございます。

    書いて稼ぐ..魅力的でしょう?

    僅かでもお金をもらえば、「お金儲け」には違いないんですが、
    私の考えているのも、それほど大それたものじゃないんです。
    「野望」とは言ったものの。

    お金を払う価値がある、と思ってもらえるものを書きたい、と
    目標のようなものです。

    「読書を通じての自分の成長」「どこまでコミュニケーションを
    広げていけるのか」どちらも、目的が明確でいいですね。
    お互いに頑張りましょう。

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