著 者:ケイト・キングズバリー 訳:務台夏子
出版社:東京創元社
出版日:2011年5月13日 初版
評 価:☆☆☆(説明)
「本が好き!」プロジェクトで献本いただきました。感謝。
「ペニーフットホテル」シリーズの第4弾。「ペニーフットホテル」は、英国南東部の海岸沿いの小さな村バジャーズ・エンドにある、紳士淑女御用達の隠れ家的ホテル。時代は20世紀初頭。これまでも毎回奇妙な殺人事件が起きたが、どうも回を重ねるごとにその奇怪さが増している。今回の事件は「首のない騎士が現れて、女性を殺してポールに縛り付けた」というものだ。
首のない騎士と聞けばオカルトかホラーかと思うが、おどろおどろしい雰囲気はしない。もちろん、殺人事件が起きたことは確かで、それも残虐な事件には違いない。しかし「首なし騎士」については、目撃者はホテルの常連客の退役軍人の大佐一人で、普段から言動が怪しい上に、その日は足元がおぼつかないほど酔っていた。
誰もが彼の話を信じることに戸惑いを感じたが、大佐が「何か」を目撃したのは間違いないらしいのだ。ちょうど五月祭(英国では古代からの祭日)の直前で、事件が解決しなければ五月祭が中止になる。五月祭を目当てにくる宿泊客が多いので、ホテルの女主人のセシリーは、素人探偵よろしく聞き込みを開始する。
前作「マクダフ医師のまちがった葬式」のレビューにも書いたが、このシリーズの魅力は、セシリーの活躍と登場人物たちが織りなすドラマにもある。そのドラマの方は、前作のように複数の同時進行ではなく、ピンポイントで展開する。私が前々から注目しているメイドのガーティに事件が起きる。
これも前作のレビューにも書いたけれど。本書だけで物語は完結しているが、1作目から順に読む方が楽しめると思う。(もう少し安ければいいのだけれど)
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首なし騎士と五月祭
首なし騎士と五月祭ケイト・キングスバリー東京創元社1008円Amazonで購入書評
舞台は、約100年前のイギリスの田舎町バジャーズ・エンド。そこで上流階級の隠れ家的存在である …