著 者:有川浩
出版社:角川書店
出版日:2007年1月25日 初版発行
評 価:☆☆☆(説明)
2005年から2007年にかけて、月刊小説誌「野生時代」に掲載された短編6編を収録した短編集。著者のデビュー2作目の「空の中」、3作目の「海の底」のスピンアウトを含んでいる。
今さら紹介する必要もないかもしれないけれど、著者のデビュー作「塩の街」と上に挙げた2作を合わせて「自衛隊3部作」と呼ばれている。「海の底」が2005年の作品だから、「野生時代」の連載が始まったのはその直後。この短編集もスピンアウトはもちろん、他の作品もミリタリーのラブストリーだ。
自衛隊という特別なお仕事の人の恋愛は、ドラマ性に富んでいる。結婚式の祝辞で必ず言われるという「どんなに喧嘩しても、朝は笑顔で送り出してくれ(無事に帰ってくるかどうかわからないので)」という話には、密度の濃い時間が垣間見える。
男性が自衛隊員で女性が民間人で待つ身、というパターンを思いがちだが、著者は、女性が自衛隊員で男性が民間人、そして男性も女性も自衛隊員、の組み合わせも物語にしている。どれも甘い中にも読みごたえを感じるものだったが、私は、男性も女性も自衛隊員の甘さ控えめな「脱柵エレジー」が良かった。まだ30歳手前とは言え、自衛隊での10年の経験が「大人」を感じさせる二曹の、甘さ控えめの恋愛未満の物語だ。
著者による「あとがき」(この「あとがき」はなかなか楽しかった)に、「私の会った自衛官の若い方は、失礼ながら皆さんかわいくて純粋で一生懸命で一途で、..」と書いてあったが、その想いが作品に表れている。男も女も「ちょっとカッコ良すぎるんじゃないのぉ」と、思わないではないが、そこはラブストーリーの常として不問にしておこう。
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「クジラの彼」 有川 浩
「クジラの彼」を読むと、自衛官と恋をしたくなる(かも)
真面目で真摯で時にやんちゃな自衛官達が繰り広げる
普通の恋愛(?)を、糖度高めに描く自衛隊員ベタ甘恋愛小説
それにしても有川先生の「活字でベタ甘」は一度ハマると癖になります。(^^;)
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・クジラの彼
潜水艦を「クジラ」と呼ぶ聡子さんと
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