富者の遺言 お金で幸せになるために大切な17の教え

著 者:泉正人
出版社:サンクチュアリ出版
出版日:2014年4月10日 初版第1刷発行
評 価:☆☆(説明)

 出版社のサンクチュアリ出版さまから献本いただきました。感謝。

 著者は「ファイナンシャルアカデミー」という「経済とお金の教養が身につくマネースクール」の設立者で代表。誰もが関わり、時には人生を左右するものなのに、日本には「お金」について学ぶ機会があまりない。そんな現状に対して「お金」について学ぶ場としてスクールを設立し、同じく「お金」について語るきっかけとして本書を記したそうだ。

 主人公は後藤英資という30代の元銀行員。2年あまり前に銀行を辞め、テイクアウトのおにぎり屋を起業した。本書の大半は彼が街で知り合った老人に話す、おにぎり屋の顛末で構成されている。彼の店は、起業してすぐに成功へと登りつめ、またすぐに転落していったのだ。

 話相手の老人の正体は、物語の結末まで分からない。しかし、後藤の話に合いの手を入れ、時に教え諭すように話す「お金の話」が、本書のキーポイント。例えば「お金はその人を映す鏡なんだよ」と言って、お金の使い方について話したりする。

 老人の話はなかなか含蓄があっていい。ただ正直に言って掴みどころがなくて、なかなか響いてこない。やはりこういった話は読む側にも実感が必要で、そのための経験が私にはないのだろう。(幸いお金で大きな失敗はない(成功もないけど))。気楽に読める易しい小説仕立ての「お金の話」という感じだ。

 最後に。サブタイトルが「お金で幸せになるために大切な17の教え」なのだけれど、何をどう数えれば17個になるのか分からない。確かに17章あるけれど、章ごとに「教え」があるわけでもない。帯の「驚きの結末に涙が止まらない」も煽り過ぎだと思う。宣伝だから多少は大目に見るとしても、期待を裏切って信用をなくしては意味がない。本書の中で、老人が「信用の力」について教えてくれているように。

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