本についての授業をはじめます

著 者:永江朗
出版社:少年写真新聞社
出版日:2014年9月22日 初版第1刷発行
評 価:☆☆☆☆(説明)

 本書は「少年写真新聞社」という学校向け刊行物の出版社の書籍。「少年写真ニュース」というB2版の壁新聞が、学校の廊下や図書室などに貼ってあるのを、ご覧になった方もいらっしゃるだろう。その壁新聞を発行している会社だ。

 本書は、その「少年写真新聞社」の小学校中学年以上の子どもたちを対象にした、「ちしきのもり」というノンフィクションシリーズの第8弾。「本」をテーマとして1から10まで、いや「そこからですか!」と思うほど幅広く説明している。

 「そこからですか!」とは具体的には、「オーストラリアに生えるユーカリの木」から。「今きみはどこでこの本を読んでいる?図書館?」という問いから始まって、本屋さん→問屋さん(取次)→出版社→製本会社→印刷工場→製紙工場、とドンドン遡ってたどり着いたのがユーカリ。そこから話が始まる。

 なるほどなぁと思った。シリーズの説明に「知的好奇心や
探究心を育てる」とあるけれど、「それはどこから?」を何度も繰り返すのは、子どもの好奇心や探求心に応えるためなのだろう。

 「そこからですか!」だけでなく「そこまでですか!」もある。印刷技術のこと、製本の方法、本屋さんの仕事。「モノとしての本」だけでなく、本の中身を作る人のことも書いてある。著者、編集者、イラストレーター、校正者、営業、宣伝...。

 子ども向けの本だけれども、大人も読んだらいいと思う。もちろん大人なら知っていることも多い。しかし、知らないことも少しはあるはずだし、ハッと気が付くようなことも書いてある。

 「本を読むときは、まず、手をきれいに洗いましょう(中略)手のよごれはせっけんで落とすことができますが、よごれた本はもとにもどせません」私はこんな気持ちで本に向かっていただろうか?反省。

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