伝え方が9割 2

書影

著 者:佐々木圭一
出版社:ダイヤモンド社
出版日:2015年4月23日 第1刷発行
評 価:☆☆☆☆(説明)

 タイトルのとおり「伝え方が9割」という本の第2弾。第1弾のレビューで「意外と良かった。とても役に立ちそうだ。」なんて書いたけれど、広い評価も得たようで、64万部を突破したそうだ。

 このシリーズは、コピーライターの著者が、自らの経験から導き出した「YESと言ってもらえる伝え方」「相手に響く強いコトバの作り方」のテクニックを記したものだ。

 例えばお店で「このシャツは現品限りです」と言うより、「こちら人気で、最後の一着なんです」と言った方が、買ってもらえる、というようなこと。これは「相手の好きなこと」の文脈で伝える、というテクニックの一例。

 第1弾は「役に立った」としても、第2弾もそうかどうかは別問題。第1弾には入らなかった、言わば「2軍」的な項目が書かれているとすれば、あまり期待できない。こういうHowToモノだと、第2弾はムリがあるんじゃないの?と懐疑的に思っていた。

 この懐疑は半分だけ当たっていた。第1弾とは全く別の項目で同等のクオリティを保つのは、やはりムリだったようだ。15項目あるうち、新しいのは3項目しかない。他の12項目は、はっきり言うと「第1弾の焼き直し」だ。

 「半分だけ当たり」としたのは、この「焼き直し」が、なかなか見事だったからだ。第2弾の作り方としては、意外だったけれど悪くない。

 それぞれのテクニックを使った例が、より具体的により洗練されたものになっていた。第1弾の出版後に「こう言ったらうまくいきました!」という報告が、著者の元にたくさん寄せられたらしい。つまり本書に載っているのは、「効果を確認済み」の例なのだ。

 そんなわけで、第1弾を読んだ人にススメるには、ちょっと微妙な内容。これから読む人は、第2弾の本書だけ読んでも役に立つと思う。

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