「ニッポン社会」入門

著 者:コリン・ジョイス
出版社:NHK出版
出版日:2006年12月10日 第1刷 2015年2月15日第28刷発行
評 価:☆☆☆☆(説明)

 表紙に踊る「塩野七生氏絶賛」の文字に魅かれて手に取ってみた。この「表紙」は、新書で最近よくある二重カバーの表紙。もともとのレーベル共通の地味な表紙(Amazonリンクのサムネイルのように)だったら、おそらく目に留まっていないと思う。

 著者は、日本に14年いた英国人のジャーナリスト。「ニューズウィーク日本版」の記者や「デイリーテレグラフ」紙の東京特派員などをしていた。本書は。日本に住んで、相当に馴染んだ英国人の目から見た「日本」と「英国」のレポートだ。サブタイトルは「英国人記者の抱腹レポート」。

 「基礎編」「日本語の難易度」「おもしろい日本語」「日本の第一印象」「日本の日常」「行儀作法」..といった項目建てで、全部で17項目半ある。「半」というのが気になるかもしれないけれど、まぁ著者の「遊び」だと思ってもらえばいい。

 面白かった。特に「日本語」に対する感性がとても新鮮だ。例えば擬音語や擬態語について。コミカルな音の繰り返しが面白い一方で、苦労もしたようだ。「おなか、空いてる?」は理解できても、「おなか、ペコペコ?」は分からないよ、という具合。

 著者の「お気に入り日本語表現ベストスリー」も面白かった。ここでは第1位だけを紹介。それは「おニュー」。短い英単語にたった一文字付け加えるだけで、初めて何かを使うときの「束の間の幸福感」「ユーモア」「アイロニー(皮肉)」のニュアンスを同時に表現している、という。

 2位、3位も(特に3位)面白かったけれど、それは手に取って読んでもらいたい。

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