ホワット・イフ? 野球のボールを光速で投げたらどうなるか

著 者:ランドール・マンロー 訳:吉田三知世
出版社:早川書房
出版日:2015年6月25日 初版 7月25日 4版発行
評 価:☆☆☆☆(説明)

 本書は、著者が運営するサイト「What if?」に寄せられた、突拍子もない空想的な質問と、それに対する著者の答えをまとめたもの。どんな質問かと言うと、サブタイトルの「野球のボールを光速で投げたらどうなるか?」というようなものだ。

 「野球のボールを光速で投げる(実際の質問は「光速の90%で」)」なんてことができるわけがない、などという返事を著者はしない。物理学をはじめとする科学的な知見を基にして、大真面目に答える。

 ちなみにこの質問の答えは、詳細は本書を読んでもらうとして簡単に言うと「大惨事」になる。ボールの前にある空気分子と衝突して、核融合が起きるらしい。その結果球場の1.5km以内にあるものは潰え..バッターはデッドボールで1塁に進める(笑)

 その他には「使用済み核燃料プールで泳いだら..」「地球にいる人間全員が一斉にレーザーポインターを月に向けたら..」「マシンガンを何挺か束ねて下向きに打って、飛ぶことはできますか?」とかだ。全部で60個ぐらいある。

 (私は違うのだけれど)理系の人には、おそらく大ウケだと思う。著者は、物理学を学んだあとNASAでロボット工学に取り組み、マンガ家に転身した、という経歴の人だ。だから説明が「理系的」だから、というのがその理由。

 でも、自分が「理系の人」だと思っていない人も、いくつかの質問と答えを読んで見て欲しい。詳しいことは分からなくても、突拍子もない質問と、それに輪をかけてとんでもない答えは、きっと楽しいだろう。著者が描く、脱力系のマンガとユーモアも、その楽しさの役に立つに違いない。

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