ぼろイスのボス

著 者:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 訳:野口絵美
出版社:徳間書店
出版日:2015年4月30日 初版発行
評 価:☆☆☆(説明)

 著者の近刊。5年前に亡くなっていて、もう新しい作品は出ないはずだけれどと思っていた。この作品は既刊の短編集の「魔法!魔法!魔法!」に収録された1編に、佐竹美保さんの挿絵をふんだんに付けて独立させたものだそうだ。

 主人公はマーシャとサイモンの姉弟。二人の家には、むらさきとオレンジと水色のしましまの生地のイスが、昔からあった。クッションは傾いでいて、べたべたする茶色いシミが付いた、座り心地がひどく悪いイス。

 近所のおばさんが、そのイスに、古道具屋から持ってきた手品セットの液体をこぼしたり、杖でたたいたりした。翌日になると、そのイスがなくなって、その代わりに、むらさきとオレンジと水色のしましまの服を着た、太った人がいた。そこから大騒動...という物語。

 ドタバタが楽しかった。「近所のおばさん」というのが、「いつも忙しそうにしているけど、たいへんな仕事は他の人にやらせる人」で、こういう人は、著者の作品に時々でてくる。そんな所も面白かった。

 英語の原題は「Chair Person」。もちろん「Chairperson:議長」と「椅子人間」のダブルミーニング。

 にほんブログ村「ファンタジー」ブログコミュニティへ
 (ファンタジー小説についてのブログ記事が集まっています。)

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です