著 者:グラハム・ハンコック 訳:大地舜
出版社:KADOKAWA
出版日:2016年2月29日 初版発行
評 価:☆☆☆(説明)
著者は、1995年の「神々の指紋」以降、考古学の定説を覆す著作を精力的に出版している。その主張は多岐にわたるが「エジプト文明などの四大文明の前に、高度なテクノロジーを持った「超古代文明」が存在した」という確信がその中心となっている。
本書では著者は、世界各地に残る「巨石遺跡」に焦点を当てる。トルコのギョベックリ・テペ遺跡、レバノンのバールベック、海を越えたペルーのサクサイワマン、そしてイースター島。
ギョベックリ・テペ遺跡は、放射性炭素年代測定によって、紀元前9600年まで遡れることが分かっている。エジプト第一王朝よりも6000年も前。そしてそれは氷河期の終わりにあたる。地球規模の激変期の終わりに建設が始まったことになる。
浮彫が施された列柱のうえに巨石が載せられている。規模はストーンヘンジの30倍はあると予想される。そんなものを建設するテクノロジーを持った文明が、今から11600年前に存在した。しかし問題はそこではない。その文明が「忽然と登場した」ことだ..。
本書はこの後、「忽然と登場した」理由を解き明かしていく。そこにはあの「有名な大洪水」の論証がある。これは著者の新しい知見で、なかなか読み応えがあった。
正直言ってよく分からないことが多いのだけれど、著者の一連の著作が好きだ。「神の刻印」「惑星の暗号」「天の鏡」「神々の世界」「異次元の刻印」すべて読んだ。批判が多く「トンデモ本」とも言われていることは知っている。私も、その指摘がまったく的外れではないのだろうとは思っている。
ただ、お話として面白いし、一片の真実はあるように思う。主流派の学者は迷惑なことだろうけれど(あるいは完全に無視か)、「定説」と「真実」は、実はあまり強い結びつきはない。
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