小説 君の名は。

著 者:新海誠
出版社:KADOKAWA
出版日:2016年6月25日 初版 2016年9月30日 18刷 発行
評 価:☆☆☆☆(説明)

 大ヒット上映中の映画「君の名は。」の原作。映画の監督・脚本・編集ほかを務めた、新海誠監督による書き下ろしなので、「原作」というより「小説版 君の名は。」と言った方がいいかもしれない。ヒットした映画にままある公開後ではなく、8月の映画公開に先立って出版された。

 ストーリーは映画と同じ。映画をご覧になった方には、紹介する必要がないけれど、まだご覧になってない方のために。

 主人公は、山深い田舎町の糸守町に暮らす女子高生の三葉(みつは)と、東京で暮らす男子高校生の瀧(たき)の二人。ある朝、瀧が目覚めると、三葉の体の中に入っていた!そう、これまでにもいくつかの作品で扱われた「男女入れ替わり」の物語だ。

 物語が進んでいくと、この入れ替わりには大きな意味があったことがわかる。その時間・空間のスケールの拡大が、この物語の魅力。..と、ここまでは映画の宣伝のようなもの。これだけであれば映画を観たなら、わざわざもう一度小説で読むこともない。

 でも私は、わざわざもう一度小説で読んで良かったと思う。冒頭に書いた「「原作」というより「小説版 君の名は。」」という部分に通じるけれど、本書は新海監督によるもうひとつの別の「君の名は。」だと思う。何よりの違いは、本書は三葉と瀧の一人称で語られることだ。映像とセリフで進行する映画では分からなかった、あの時の三葉の、そして瀧の心情が言葉となって書かれている。

 映画を観て「良かった」と思う人にもおススメ。それから本書を読んで「良かった」と思った人には映画もおススメする。映画の映像美と音楽は、小説では分からないから。

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