著 者:東野圭吾
出版社:実業之日本社
出版日:2011年11月25日 初版第1刷
評 価:☆☆☆(説明)
「疾風ロンド」という映画が阿部寛さん主演で公開されていて、その原作を読んでみようと思っていた。そうしたら先に本書があり、後に「雪煙チェイス」という本が先日出版されて、3冊で「スキー場シリーズ」になっていることが分かった。まず1作目から読むことにした次第。
主人公は倉田玲司、年齢は40過ぎ、独身。新月高原スキー場の索道部マネージャー。リフトやゴンドラを安全に運行する責任がある現場のポストで、ゲレンデ全体が安全で快適なものに保たれるよう管理するのも彼の仕事だ。
スキー人口が減ってスキー場はどこも厳しい状況にある。倉田の上司にあたる経営層は、現場にムリを強いてくる。そんな中で真面目に勤めて来た。索道部の部下やパトロール隊からは信頼されている。ある日、ゲレンデのどこかにまだ雪のない頃に爆発物を仕掛けた、という脅迫状が届く。スキー場全体を人質に取られた(ジャックされた)わけだ。
ゲレンデの安全に責任がある倉田は、警察に届け客を避難させることを主張した。しかし、それでは今シーズンは棒に振ったも同然だし、その後のイメージダウンも避けられない。結局ズルズルと時が過ぎ...。という物語。
スキー場には様々な人が絡む。運営会社の社員、お客、地元自治体。犯人になりそうな人物もたくさんいる。本書は「犯人捜し」のミステリーであり、同時に著者の「企業モノ」に見られるような、仕事に打ち込む男たちの物語でもある。著者の作品の特長の「イイトコどり」だ。
聞けば「疾風ロンド」「雪煙チェイス」でも、本書の登場人物たちが活躍するらしい。そのうち読み進めたいと思っている。
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