RDG レッドデータガール 夏休みの過ごし方

書影

著 者:荻原規子
出版社:角川書店
出版日:2010年5月30日 初版発行
評 価:☆☆☆(説明)

 「RDG レッドデータガール はじめてのお使い」 「はじめてのお化粧」に続く第3巻。

 主人公は鈴原泉水子。熊野古道に近い山深い神社で育ち、東京郊外の鳳城学園という私立高校に進学。今は1年生。成り行きもあって生徒会執行部に所属しているが、前に出るタイプでも人をまとめるタイプでもない。ただ普通の女子でもない。彼女は「姫神憑き」という、その身に神が降りる体質?なのだ。

 今回、生徒会執行部は学園祭の企画をまとめるために、夏休みに合宿をすることになった。泉水子のルームメイトの宗田真響の地元の長野県戸隠で。高校生の男女が、避暑地に行って合宿。これが青春小説ならば、恋のひとつやふたつは生まれそうなシチュエーションだけれど..そういうことは起きない。

 真響も普通の女子ではなくて、戸隠忍者の血を引いていて、神霊を呼び出したりすることができる。合宿を言い出したのは真響で、思惑があってのことだった。その思惑が大小の事件を引き起こす。さらに、戸隠は修験の地、戸隠山は霊山。泉水子たちの行いが、封じられた「たいへんなもの」を招き出してしまう...。

 今回舞台となった戸隠に、私は少し縁があって、何度か足を運んだことがある。登場する地名やお社の名前は全部わかるし、そのあたりの雰囲気も思い浮かぶ。それが楽しかったし、「あそこなら、こういうことが起きても不思議じゃない」と思う。

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