著 者:海堂尊
出版社:宝島社
出版日:2012年7月20日 第1刷 発行
評 価:☆☆☆(説明)
「チーム・バチスタの栄光」から始まる「田口・白鳥シリーズ(著者は「東城大学シリーズ」としているそうだ)」の第6作にして最終巻。(「なんかちょっとつながらない」と読みながら思っていたら、第5作「アドリアネの弾丸」を飛ばして本書を読んでしまったらしい)
主人公は田口公平。東城大学医学部付属病院で「不定愁訴外来(通称愚痴外来)」の責任者。舞台はこの大学病院。これはシリーズを通じて同じ。田口は「Aiセンター長」にも就任している。ちなみに「Ai」とは「Autopsy Imaging」で「死亡時画像診断」の意味。このシリーズのテーマの一つでもある。
様々なことな起きる。Aiの導入に反対する勢力からは妨害され、病院長からはむちゃぶりされ、新しく着任したスーパーバイザーには振り回され、モンスター患者に対応し..田口センセイは息つく暇もない。ただ、物語はそういったことを押し流すような勢いで、「Aiセンター」の開所の日に向かって、一気に駆け上がるように展開する。
登場人物がエキセントリックな人が多く、コミカルなエピソードがふんだんにあって楽しい。何度も声をあげて笑ってしまった。しかし、物語の発端は「八の月、東城大とケルベロスの塔を破壊する」と書かれた脅迫状。事態はドンドンときな臭くなって行く。面白かった。
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