著 者:ロジェ・ゲスネリほか 訳:吉田良子
出版社:ダイヤモンド社
出版日:2018年8月22日 第1刷 発行
評 価:☆☆(説明)
「まぁ確かにそうか」とか「そうなんだ!」と思いつつ「でも何なの?これは」と思った本。
タイトルに魅かれて手に取った。世界一深い質問とその答えを100個も読むのは、さぞワクワクする体験だろうと。
「まえがき」も「はじめに」もなく、目次の後の扉ページの裏にいきなり「Q.001 声帯移植はいつ可能になるのか?」と質問。続いて「古代から、神話や伝説の世界で語られてきた臓器移植は、いまや現実になっている。....」と回答。回答の末尾に回答者の名前と職業。この質問の回答者は「ジェラルド・ファン(耳鼻咽喉科医)」
Q.002は「先史時代の人間は何を考えていたのか?」、Q.003は「数学がなかったら、我々の世界はどうなるか?」、Q.004は「反芻は何の役に立つのか?」、Q.005「人類は鳥インフルエンザで絶滅するのか?」、Q.006は「心配性の人間は暗記が得意か?」..。どうも何かの順番ではないらしい。ついでに言うと「深い」と言われてもピンとこない。(「数学がなかったら..」はちょっと深いかもしれない)
というわけで「何なの?これは」と思った。タイトルに違えて「深い」とも思えない質問が脈絡なく登場する。答えの方も、腑に落ちたり落ちなかったり。はぐらかされたように感じるものもある。次はどんな質問かな?という興味も湧かない。
ここで公正を期するために補足する。本書はフランスで出版された本の訳書で、回答者も恐らく全員フランス人だ。原題は「100 questions de science a croquer」で、「世界一深い」とはどこにも書いていない。「a croquer」は「絵に描きたいぐらい」「食べちゃいたぐらい」という意味らしい。
一つだけ「ちょっと面白いな」質問があった。Q.051「遺伝子組み換え食品は健康にいいのか?」。市民感情としての懸念を考えれば「~健康に悪いのか?」となりそうだ。フランスが特に遺伝子組み換え食品に積極的ということもないと思うので、どうしてこうなったのだろう?その答えはたぶん、回答者が生物工学の研究者だからだ。(注:遺伝子組み換えが従来の交配による品種改良より危険、とする事実は今のところ見つかっていないそうだ)
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