感じのいい話し方、悪い話し方

著 者:渋谷昌三
出版社:新講社
出版日:2015年1月26日 初版1刷 2月12日 2刷7刷 発行
評 価:☆☆☆(説明)

 書いてあることひとつひとつに「あれがよかったんだ」とか「あれは失敗だった」とかと、思い当たることがある本。

 「内容のある、いい話」を話していても、相手は「こんな話、聞いてもしょうがない」と思っているかもしれない。逆にたいした話はしていないはずなのに「なるほど。いい話を聞かせてもらった」と思われる人もいる。こんなことが起きるのは、「話の内容」以上に「話し方」が影響を及ぼしているからじゃないか?そんな仮説から、本書は組み立てられている。

 どうせなら、話の内容に釣り合うかそれ以上に「いい話」だと思ってもらいたい。それ以外にも、言うことを聞いてもらいたい、人を励ましたい、話をふくらませて楽しく会話したい、等々。他人と接している以上、うまくコミュニケーションを取りたい。本書が目指すのは、そういう話し方だ。

 全部で6章。章のタイトルは「人を動かす話し方、反発される話し方」「人を励ます話し方、イラッとさせる話し方」「熱心な人の話し方、しつこい人の話し方」「話がふくらむ話し方、途切れてしまう話し方」「相手を受け入れる話し方、拒んでしまう話し方」「感じのいい話し方、わるい話し方」。

 読んでいてとても共感した。「そうそうそうだよね」と。例えば「人を動かす話し方~」で、「あなたは~しないとダメ」ではなく「私はあなたに~してほしい」と「私メッセージ」で言う。「話がふくらむ話し方~」で、「小さな質問で、話の腰を折らない」とか。

 ただ「共感する」ということは「自分もそう思ってた」わけで、なんだか当たり前のことじゃないのか?と思わなくもない。それでも、こうして整理して再確認することには意味がある。それから「なるほどそうか!」と思ったこともいくつかある。例えば「熱心な人の話し方~」で、心理学の「熟知性の原理」から、いい人間関係を作るには「じっくり話し込むよりも、言葉を交わす機会を増やす」だそうだ。

 今日から実践、と意気込んでみる。

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