信長の棺

書影

著 者:加藤廣
出版社:日本経済新聞社
出版日:2005年5月24日第1刷 2007年10月4日第10刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 本能寺の変とその時の信長の死の真相に迫る歴史フィクション。もちろんフィクションなので、「これが真相だ」と著者も言っているのではない。しかし、読む方は、こうだったのかも知れないと思うことで楽しめる。そう思えるぐらいの物語が綴られている。これが小説家としてのデビュー作で、74歳だというのだから驚きではないか。

 主人公は、信長ではなく「信長公記」を記した実在の伝記作者、太田牛一。(信長は、本書の冒頭で早々に死んでしまう) 伝記作者であるから、様々な調査をしたであろうことは想像に難くない。このことが、物語中の主人公の調査活動や、ひいては本書の描く信長の死の真相に真実味を与えることになる。

 本書では、信長が目指していた天下がどのようなものであったのか?本能寺の変はどのようにして起こったのか?黒幕は居たのか?居たとすれば誰なのか?秀吉や家康との関わりは?、そして信長の遺体はどこへ行ってしまったのか?と言った謎解きの面白さが、ギュッと詰まっている。
 信長、秀吉、家康と言った天下人に加えて、信玄や謙信などの武将が数多く居て、物語には事欠かないこの時代に、また面白い物語が加わった、そんな感じがする本。

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