指輪物語4 二つの塔(下)

書影

著 者:J・R・R・トールキン (訳:瀬田貞二)
出版社:評論社
出版日:1973年12月20日 1981年12月20日第6刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 前冊と打って代わって、この分冊は全篇フロドとサム、そしてゴクリのストーリーが280ページに渡って続く。
(ちなみに、ゴクリは映画ではゴラムになっている。原書ではGollumだから名前だとするとゴラムで良いのだろう。しかし、Gollumは喉を鳴らす音の擬音で、彼が食べ物の魚を求めて良く喉を鳴らしていたことから付いたあだ名という設定になっているらしいから、それを訳してゴクリとなった。)
 跡をつけて来たゴクリを捕まえて道案内にしてモルドールまで行く。悪者がそう簡単に改心するはずもないが、それでも道案内の訳を果たして、モルドール内に入り込むことに成功する。しかし、ゴクリの奸計によって、シュロブという大グモに襲われ、フロドは意識を失いオークたちに連れ去られてしまう。
 全くの絶望の中で、この分冊は終わることになる。鉛のような重苦しさを読者に残したままで。なんという展開だろう。
 途中で、ボロミアの弟ファラミアに会う。少しずつ登場人物が増えていくのも、この物語の特徴か。結果的に指輪の魔力に屈してしまった兄と違って、ファラミアは指輪を奪おうとしなかった。よくできた人物だ。
 話の展開の割には長い。映画ではこの分冊の部分は何分になるのだろう。

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