著 者:上橋菜穂子
出版社:講談社
出版日:2014年9月1日 第1刷発行
評 価:☆☆☆☆(説明)
「国際アンデルセン賞」受賞記念出版。
「物語ること、生きること」に続いて、「守り人」シリーズ、「獣の奏者」シリーズなどの著者が、自分のことを語ったエッセイ集。17歳の時に高校の研修旅行で行った英国から始まって、フィールドワークで出かけた沖縄やオーストラリア、お母さまとの旅行先の国々、色々な空の下の旅の思い出を綴る。「小説現代」に連載された20編と書下ろし1編を収録。
高校の研修旅行は、大好きだった小説の舞台となった作者が住む家を見られるかも?と思って参加したそうだ。その想いを手紙にして作者に送ったら、まさかの「ぜひいらっしゃい」という返事。ご本人の出来事が物語的だ。
さらに「車がびゅんびゅん走る道路を颯爽と横切る修道女のおばあさん」とか、「カンガルーの尻尾が大好きなアボリジニの子どもたち」とか、旅先で出会う魅力的人々がたくさん登場する。「物語ること、生きること」で「物語は、私そのものですから」と言っていた著者が綴ると、エッセイも「物語」となる。
「変化は苦手、お布団にもぐりこんで、好きな本を読んでいられたら幸せ」という著者と、異文化の中に単身で飛び込んでいく姿が、これまではどうにも重ならなかった。でも、本書を読んでそのわけが少し分かった。
そういったところは、ご本人も認めていらっしゃるのだけれど、お母さまに似たのだろう。周りが「えっ」と思う行動をしてしまう。オーストラリアで突然カンガルーのマネをするお母さまと、ウェールズで騎士の鎧を付けてポーズをとる著者は、やってることがそっくりだ。
その他にも、作品とのつながりを感じることができる部分も随所にあって、著者の作品のファンならきっとワクワクしながら読めるだろう。
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