著 者:三浦しをん
出版社:文藝春秋
出版日:2013年10月30日第1刷発行
評 価:☆☆☆☆(説明)
「まほろ駅前多田便利軒」「まほろ駅前番外地」に続くシリーズ第3弾。舞台と登場人物は、これまでの2作でお馴染みの場所と人々だ。
物語は、主人公の多田が営む便利屋「多田便利軒」に、高校時代の同級生の行天が転がり込んで、3年目を迎える正月から始まり、その年の大晦日で終わる。級生と言っても友だちではない。会話したことすらない。これまでの2年間と同様、多田は行天の言動に振り回されっ放しだ。
今回は、「家庭と健康食品協会(略称:HHFA)」という無農薬野菜を販売する団体、バス会社の間引き運転の監視に執念を燃やす「多田便利軒」の常連客、多田が預かることになった4歳の少女の「はる」らを中心に騒動が巻き起こる。そして何と、多田にはロマンスの種が...。(星くんって、いい人だったんだね。)
多田も行天も、自由に飄々と生きているように見えるが、実は過去の出来事によって精神にダメージを受けている。著者は、本書を「完結編」のつもりで書いたそうだ。そのためなのだろう、彼らの(特に行天の)ダメージの原因が語られ、その救済が描かれている。
「完結編」ということだが、この終わり方で多田と行天がこのまま大人しくしているはずがない。著者もインタビューで「……どうですかね(笑)」なんて答えている。続編を希望。
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