3.ミステリー

ダレン・シャン4 バンパイア・マウンテン

書影

著 者:ダレン・シャン (訳:橋本恵)
出版社:小学館
出版日:2002年4月20日初版 2004年4月20日第10刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 ダレンとクレプスリーは、ダレンをバンパイア元帥に紹介し、ダレンを半バンパイアにしたことについて、認めてもらう、あるいは責任を裁いてもらうために、12年に1度のバンパイア総会に出席しようと、バンパイア・マウンテンへ行く。
 少年を半バンパイアにしてしまったクレプスリーには、相当な責任があるらしい。そして、そのためにダレンが厳しい試練を受けることになった。もし失敗すれば、死ななければならない、というところまでがこの巻。
 これから6巻までが、1つのストーリーになっているらしい。そのためか、色々なことが後の巻の伏線となっていて、この巻では未解決なまま残っている。
 新たな登場人物も続々と現れて、話の幅や奥行きが広がった感じ。まぁ、これまでの物語全体を通して言えることだけど、11年間も負けたことのない女バンパイア「エラ」を相手に、戦闘経験のないダレンが一時は相手を追い詰めたり、そのエラは尊敬する人としか握手をしないのに、何故かダレンを認めて握手したりと、安直な感じがする。しかし、ストーリー展開は面白い。

 この巻で分かったこと。
 バンパイアは高潔な種族で、試練に耐えることを尊ぶ。ミスタータイニーはこの世が始まった時から生きているようなやつで、魔力を持っていてバンパイアの誰もが恐れている。リトルピープルは、死者の霊にミスタータイニーが何らかの取引の上で身体を与えたもの。

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THE DA VINCI CODE

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著 者:Dan Brown
出版社:Transworld Publishers(Corgi Books)
出版日:2004年
評 価:☆☆☆☆(説明)

 友達が貸してくれた洋書。ハリーポッターと違って、日本語版も既に出ているのだけれど、原書で読んでみた。
 ダヴィンチの絵に込められたメッセージや、暗号の謎解きが随所にあり、次々と降りかかる危機を切り抜けていく。退屈しない。だから、苦労しながらも読めたのだろう。映画にすれば面白いだろうと思う。と思っていたら、本当にトム・ハンクス主演で映画化が決まったらしい。
 あくまでこれは小説なので、ここに書いてあること全部を真実と受け止めることはできない。以下にあげたようなことが、真実っぽく説得力を持って語られている。トンデモ本に分類されるものかも知れないが、同様の内容の本が大真面目に出版されているらしい。
(1)イエス・キリストは実は結婚していて、子どもももうけている。
(2)その相手は娼婦から改心したとされるメアリーマグダレン(マグダラのマリア)
(3)その事実が都合が悪い教会がその証拠を葬ろうとしたが、失敗し逆に隠されてしまった。(これが聖杯の正体だという)などなど
そして、ダヴィンチの最後の晩餐に女性が描かれていること、これは現在確かめることのできる紛れもない真実。聖書によると13人の使徒は全員男性ということなのに。

 次々と明らかにされる謎を真実だと信じて読むと実に面白い。もちろん日本語版で良いのでオススメです。

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ダレン・シャン3 バンパイア・クリスマス

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著 者:ダレン・シャン (訳:橋本恵)
出版社:小学館
出版日:2002年1月1日初版 2004年1月第11刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 ダレン・シャンシリーズの第三巻。
 半バンパイアのダレンが、師匠のクレプスリーとヘビ少年のエブラとともに、サーカス団を離れてクレプスリーの仕事のためにある町に来た。この町は、クレプスリーの故郷で、町の人々を守るために帰ってきたのだ。そこで、バンパニーズ(バンパイアから枝分かれした種族)と対決する、というストーリー。
 この巻は、1つの完結した話でありながら、次への展開のための布石にもなっている。バンパイア将軍や、バンパニーズの存在など、新たなプロットが出てくる。あとがきによると、この後4巻から6巻までがこのプロットを基にした大きなストーリーになっているらしい。
 今回も少し残酷なシーンはあるが、前巻のような不快で必然性に疑問があるようなものでないので少し安心した。展開もサスペンス調で面白くなった。
 もっとも、ダレンが危機を脱するのに、あまりにも都合よく行き過ぎる感じがした。計画が一度も破綻せずに成功しまう。著者もそう思ったのか、「今回の計画は一か八かの賭けだった」「もし....なら...」などと、うまく行き過ぎたことをダレン自身に告白させてしまっている。

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ダレン・シャン2 若きバンパイヤ

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著 者:ダレン・シャン (訳:橋本恵)
出版社:小学館
出版日:2001年10月10日初版 2003年3月1日第10刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 ダレン・シャンシリーズの第2巻。半バンパイヤになったダレンが、サーカスの一員になり生活を始める。ヘビ少年のエブラやひげ女、ガラスでも釘でも何でも食っちまう男など、奇っ怪な面々が暮らすキャンプ。こんな連中でも暮らしていく以上、洗濯したり炊事をしたりと普通なのがちょっとおかしい。
 普通の人間は、サーカスのショーの時だけこういった人々と接していれば問題ないのだろうけれど、日常生活に顔を出すようになると悲劇につながる。結局、近所の子どものサムはウルフマンに殺されて(喰われて?)しまう。環境保護団体の戦士RVは、両腕を失う。
 RVが両腕を失うシーンや、サムが死ぬところはグロテスク過ぎないか?このままでは、ハリーポッターや指輪物語のような映画化は難しいだろう。きわどすぎる。考えてみれば、サーカス団の面々からして怪しすぎて難しいか?
 でも、前巻にくらべると、話は格段に面白みを増した。次はどうなるのか気になるし。

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ダレン・シャン 奇怪なサーカス

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著 者:ダレン・シャン (訳:橋本恵)
出版社:小学館
出版日:2001年7月10日初版 2002年10月1日第12刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 J・K・ローリングも絶賛したという、英国のファンタジーミステリー。今現在で8巻まで日本で出版されている。2年で8巻だからかなりのハイペースだ。原書も第1巻が1999年に出て、今のところ9巻か10巻まで出ているようだから、日本ほどではないにしても、年2~3冊のペース。
 異論はあるだろうけれど、英国のファンタジーは、ハリーポッターが突破口になって、日本で売れ始めたと言って大きく間違えではないだろう。しかし、指輪物語の昔から脈々と続く英国ファンタジーの層は厚い。これからも日本に紹介される作品は増え、第2第3のベストセラーが出るだろう。
 この巻は、主人公ダレン・シャンが、奇怪なサーカス(と言っても、曲芸ではなく奇人変人ショーのようなもの。一部の人には不快感を与えるだろう)に行き、そこから盗んだクモのために半バンパイヤになるまで。言わばこの話の導入部。
 ハリーポッターと同じく、スラスラと最後まで読めた。また、ハリーポッターの第1巻と同じくストーリーはいたって平板。書評にあるような「ハラハラドキドキ」とか「予測の付かない展開の連続」といったことは全くない。10巻を超える長篇なので、第1巻だけ読んだだけで評価するは間違いなんだろう。続巻の展開に期待しよう。

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十四の嘘と真実

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著 者:ジェフリー・アーチャー (訳 永井淳)
出版社:新潮社(新潮文庫)
出版日:2001年4月1日発行
評 価:☆☆☆(説明)

 ジェフリー・アーチャーの短篇集。タイトルから推察されるように、14篇の短篇が収められている。
 訳者の解説によると、アーチャー氏は、「ケインとアベル」などの一代記、「大統領に知らせますか」などのポリティカルスリラー、そして短篇集という3つのジャンルを順番に書いているそうだ。そして、どのジャンルの作品でも、トリックやドンデン返しが氏の持ち味だと思う。
 その点、この短篇集はその持ち味があまり感じられない(「欲の代償」という一篇を除いて)。早くから結末が分かってしまうもの、トリックはあるもののすっきりしないオチで、切れ味が悪いものなど。消化不良というか欲求不満な後味が残った。短篇こそ、最後の切れ味が大切なのに。
 本短篇集は、実際の事件を基にしたものが多いらしく、そうした事情がストーリーの伸びやかさの足かせになったのかもしれない。

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ロストワールド ジュラシックパーク2

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著 者:マイクル・クライトン (訳:酒井昭伸)
出版社:早川書房
出版日:1995年11月25日 初版
評 価:☆☆☆(説明)

 大ヒットした映画「ジュラシックパーク」の原作の続編。
 あとがきによると、クライトン氏はめったに続編を書かないそうだ。それなのに続編が出たというのも、映画のヒットが影響しているだろうか?
 一作目よりも、プロットがはっきりしていてストーリーにメリハリがあって面白い。マルカム教授のカオス理論や、動物生態学などを取り込んだことで、ストーリーに厚みが出た。
(例えば、なぜ恐竜が絶滅したのかの新学説や、なぜサイトBという場所で肉食恐竜が繁殖しているのかといった理由などが、妙に説得力がある。)

 映画の方の続編「ロストワールド ジュラシックパーク2」は、サイトBの位置付けと、登場人物の一部が同じである以外は、別の話。映画の方が圧倒的に陳腐でつまらない。こちらの本の方が断然面白い。

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海底二万海里

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著 者:ジュール・ベルヌ
出版社:福音館書店
出版日:1978年8月31日 第8刷
評 価:☆☆☆(説明)

 SFの父、ベルヌの古典的名作。子供向けに書き直された本が多数出版されているが、これは原作に忠実に訳された700ページもの大作。(しっかりした本をつくる出版社、と図書館の人が福音館書店のことを言っていた。)
 科学的な見地からも、緻密に書かれた(と思わせる)科学小説。ただし、海底の生物の描写が緻密なのは良いが、繰り返し繰り返し出てくるのは、はっきり言って苦痛だった。
 それでも、確かに面白い話だった。特に南極の氷の下からの脱出の場面は、非常にスリリングで、息もつけないほど。
 ネモ船長の正体が最後には分かるものと思っていたが、結局謎のまま。相当、現代社会に批判的だったけど、世を恨む認められない天才科学者か?(このくらいの想像は誰にでもできそうだ。あえて書くまでもないか。)
 同名のディズニー映画があるが、原作とはかなり違う。映画では、ネモ船長の娘が出てきて、アロナックス教授と恋に落ちたりするが、原作にはない。また、アロナックス教授には父親がいて、父から認められないという設定もあるが、これも原作にはない。ディズニーらしい、ロマンスと成長物語の味付けをしたというところか。

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