37.ダレン・シャン

ダレン・シャン 7.黄昏のハンター 8.真夜中の同志 9.夜明けの覇者

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著 者:ダレン・シャン (訳:橋本 恵)
出版社:小学館
出版日:7.2003年3月10日発行 2004年12月1日第6刷/8.2003年7月10日発行 2004年3月10日第4刷/9.2003年11月20日発行 2005年2月20日第4刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 7,8,9巻で、バンパイア対バンパニーズ、特にバンパニーズ大王を狙う大王ハンターの戦いを描く。大王ハンターとは、ダレン、クレプスリーと新登場の元帥バンチャ・マーチの3人。なぜ、この3人なのかというと、ミスター・タイニーが指名したから。この世の始めから存在し、運命を握っていると言われるタイニーだ。
 ダレン・シャンシリーズでは、実に多くの登場人物が入れ替わり立ち代り登場するが、この3巻でも、バンチャ・マーチの他、魔法使いエバンナやバージェス警部など、キャラクターの立った人物が登場する。とても個性的だ。
 さらに、最初の3巻で登場した、スティーブ、RV、デビーの3人が再登場する。敵になったり味方になったりで、オールスターキャスト登場で大団円かと思わせる展開だ。

 ミスター・タイニーが全てを決めて、その設定の中でストーリーが展開するというのは、少し強引ではあるが、非常にスリリングで、今までの中では一番面白い3巻だった。(最後のドンデン返しはムリやりな感じだけれど)
 登場人物の相関や秘密が徐々に明らかにされ、それが今後にどう関係するのか。興味は尽きない。タイニーの予言によれば、前面戦争に突入することになりそうだが、どうなるのか?

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ダレン・シャン6 バンパイアの運命

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著 者:ダレン・シャン (訳:橋本恵)
出版社:小学館
出版日:2002年10月20日初版 2004年12月1日第9刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 4,5,6巻を通して続くバンパイア・マウンテンを舞台とした一連の物語の結末。
 前巻の続きで、ダレンは地下の水路を流されて、「奇跡的に」無事にバンパイア・マウンテンの脱出に成功する。そして「偶然に」ストリークというかわいがっていた狼に出会い、助けられる。そして、その群れにいる老狼が「たまたま」元帥の間への抜け道を知っていた。
 こんなご都合主義のストーリーで良いのか。しかも「それにしても、よくこうもうまくいったものだ...運命の力が働いているのか...」なんて独白してしまう。3巻でも似たような独白があるが、これは興醒めだ。著者自身でさえ、都合が良すぎると思っているのだから。

 ところで、バンパイアとバンパニーズの決闘で、ダレンはバンパイアたちの振る舞いに違和感を覚える。彼らがあまりに喜々としてバンパニーズを殺すからだ。うがった見方をすれば、命知らずの彼らは、他人の命も尊く思わないのかもしれない。この違和感が今後のダレンの振る舞いに影響してくるのかもしれない。

 主人公が処刑されては元も子もないので、ダレンの処遇をどう解決するのかと思っていいたら、なんと、バンパイア元帥になってしまった。アッと驚く展開には違いない。しかし、それまで延々と、バンパイアは掟や序列や前例を重んじる、と説明されてきたのに。そのこととの折り合いはどうするんだ。

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ダレン・シャン5 バンパイアの試練

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著 者:ダレン・シャン (訳:橋本恵)
出版社:小学館
出版日:2002年7月1日初版 2004年4月20日第9刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 ダレンに課せられた試練の巻。
 第一の試練は、水が満ちてくる迷路を抜ける。17分で水が天井に達する。第二の試練は、鍾乳洞の中を通る。落ちてくる鍾乳洞に刺されたら終わりだ。第三の試練は、火が吹き上がる部屋に15分間こもる。ここまでは何とかこなした。
 第四の試練は、狂った熊二頭と戦うこと。ここでリトルピープルが助けに入ってしまったことで、ダレンは窮地に立つことになる。

 「ハリーポッターと炎のゴブレット」で、ハリーが試練をこなしているのと並行して、ヴォルデモートの陰謀が進んでいたように、ダレンが試練をこなしている間にも、バンパニーズが大挙してバンパイア・マウンテンに潜んでいた。その目的はまだ分からない。次巻に期待。

 ところで、バンパイアは高潔な種族で、不正を嫌うはずなんだけど、死ぬのを避けて逃げ出してしまったダレンに未来はあるのだろうか?

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ダレン・シャン4 バンパイア・マウンテン

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著 者:ダレン・シャン (訳:橋本恵)
出版社:小学館
出版日:2002年4月20日初版 2004年4月20日第10刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 ダレンとクレプスリーは、ダレンをバンパイア元帥に紹介し、ダレンを半バンパイアにしたことについて、認めてもらう、あるいは責任を裁いてもらうために、12年に1度のバンパイア総会に出席しようと、バンパイア・マウンテンへ行く。
 少年を半バンパイアにしてしまったクレプスリーには、相当な責任があるらしい。そして、そのためにダレンが厳しい試練を受けることになった。もし失敗すれば、死ななければならない、というところまでがこの巻。
 これから6巻までが、1つのストーリーになっているらしい。そのためか、色々なことが後の巻の伏線となっていて、この巻では未解決なまま残っている。
 新たな登場人物も続々と現れて、話の幅や奥行きが広がった感じ。まぁ、これまでの物語全体を通して言えることだけど、11年間も負けたことのない女バンパイア「エラ」を相手に、戦闘経験のないダレンが一時は相手を追い詰めたり、そのエラは尊敬する人としか握手をしないのに、何故かダレンを認めて握手したりと、安直な感じがする。しかし、ストーリー展開は面白い。

 この巻で分かったこと。
 バンパイアは高潔な種族で、試練に耐えることを尊ぶ。ミスタータイニーはこの世が始まった時から生きているようなやつで、魔力を持っていてバンパイアの誰もが恐れている。リトルピープルは、死者の霊にミスタータイニーが何らかの取引の上で身体を与えたもの。

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ダレン・シャン3 バンパイア・クリスマス

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著 者:ダレン・シャン (訳:橋本恵)
出版社:小学館
出版日:2002年1月1日初版 2004年1月第11刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 ダレン・シャンシリーズの第三巻。
 半バンパイアのダレンが、師匠のクレプスリーとヘビ少年のエブラとともに、サーカス団を離れてクレプスリーの仕事のためにある町に来た。この町は、クレプスリーの故郷で、町の人々を守るために帰ってきたのだ。そこで、バンパニーズ(バンパイアから枝分かれした種族)と対決する、というストーリー。
 この巻は、1つの完結した話でありながら、次への展開のための布石にもなっている。バンパイア将軍や、バンパニーズの存在など、新たなプロットが出てくる。あとがきによると、この後4巻から6巻までがこのプロットを基にした大きなストーリーになっているらしい。
 今回も少し残酷なシーンはあるが、前巻のような不快で必然性に疑問があるようなものでないので少し安心した。展開もサスペンス調で面白くなった。
 もっとも、ダレンが危機を脱するのに、あまりにも都合よく行き過ぎる感じがした。計画が一度も破綻せずに成功しまう。著者もそう思ったのか、「今回の計画は一か八かの賭けだった」「もし....なら...」などと、うまく行き過ぎたことをダレン自身に告白させてしまっている。

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ダレン・シャン2 若きバンパイヤ

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著 者:ダレン・シャン (訳:橋本恵)
出版社:小学館
出版日:2001年10月10日初版 2003年3月1日第10刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 ダレン・シャンシリーズの第2巻。半バンパイヤになったダレンが、サーカスの一員になり生活を始める。ヘビ少年のエブラやひげ女、ガラスでも釘でも何でも食っちまう男など、奇っ怪な面々が暮らすキャンプ。こんな連中でも暮らしていく以上、洗濯したり炊事をしたりと普通なのがちょっとおかしい。
 普通の人間は、サーカスのショーの時だけこういった人々と接していれば問題ないのだろうけれど、日常生活に顔を出すようになると悲劇につながる。結局、近所の子どものサムはウルフマンに殺されて(喰われて?)しまう。環境保護団体の戦士RVは、両腕を失う。
 RVが両腕を失うシーンや、サムが死ぬところはグロテスク過ぎないか?このままでは、ハリーポッターや指輪物語のような映画化は難しいだろう。きわどすぎる。考えてみれば、サーカス団の面々からして怪しすぎて難しいか?
 でも、前巻にくらべると、話は格段に面白みを増した。次はどうなるのか気になるし。

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ダレン・シャン 奇怪なサーカス

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著 者:ダレン・シャン (訳:橋本恵)
出版社:小学館
出版日:2001年7月10日初版 2002年10月1日第12刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 J・K・ローリングも絶賛したという、英国のファンタジーミステリー。今現在で8巻まで日本で出版されている。2年で8巻だからかなりのハイペースだ。原書も第1巻が1999年に出て、今のところ9巻か10巻まで出ているようだから、日本ほどではないにしても、年2~3冊のペース。
 異論はあるだろうけれど、英国のファンタジーは、ハリーポッターが突破口になって、日本で売れ始めたと言って大きく間違えではないだろう。しかし、指輪物語の昔から脈々と続く英国ファンタジーの層は厚い。これからも日本に紹介される作品は増え、第2第3のベストセラーが出るだろう。
 この巻は、主人公ダレン・シャンが、奇怪なサーカス(と言っても、曲芸ではなく奇人変人ショーのようなもの。一部の人には不快感を与えるだろう)に行き、そこから盗んだクモのために半バンパイヤになるまで。言わばこの話の導入部。
 ハリーポッターと同じく、スラスラと最後まで読めた。また、ハリーポッターの第1巻と同じくストーリーはいたって平板。書評にあるような「ハラハラドキドキ」とか「予測の付かない展開の連続」といったことは全くない。10巻を超える長篇なので、第1巻だけ読んだだけで評価するは間違いなんだろう。続巻の展開に期待しよう。

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