2009年「今年読んだ本ランキング」投票結果

投票結果 昨年末に2009年の「今年読んだ本ランキング」を発表して、1月末まで右のサイドバーで皆さんに人気投票していただきました。 投票総数は48人でした。投票いただいた方、どうもありがとうございました。

 下に、投票結果を発表します。1位は私の順位と一致していて、「獣の奏者 3.探求編、4.完結編」です、上橋さんの人気は固いですね。3位の「陽気なギャングが地球を回す」は2003年の作品ですが、伊坂ファンからの支持があったのでしょう。
 その点、有川作品2作は有川ファンの票が割れたと思われるものの、2位と5位と共に上位に入ったのはスゴイことかもしれません。翻訳モノのファンタジーは支持を得られず、下位となりました。

順位 私の
順位
タイトル/著者 得票数 Amazonリンク
 獣の奏者 3.探求編、4.完結編 / 上橋菜穂子 12 Amazon
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 植物図鑑 / 有川浩 11 Amazon
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 陽気なギャングが地球を回す / 伊坂幸太郎 Amazon
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 宵山万華鏡 / 森見登美彦 Amazon
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 シアター! / 有川浩 Amazon
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 サクリファイス / 近藤史恵 Amazon
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 流星の絆 / 東野圭吾 Amazon
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 茨文字の魔法 / パトリシア・A・マキリップ Amazon
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10  駆け出し魔法使いと海の呪文 / ダイアン・デュエイン Amazon
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10  魔法の使徒(上)(下) / マーセデス・ラッキー Amazon
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聖女の救済

書影

著 者:東野圭吾
出版社:文藝春秋
出版日:2008年10月25日 第1刷 10月30日 第2刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 私にとっては「容疑者Xの献身」「流星の絆」に続いて3つめの作品。多作な著者の作品には、読んでみたい作品がたくさんあるのだけれど、最寄りの図書館には名前の札だけがあって、全部貸出中ということが多いので、タイミングがうまく合わないようだ。

 事件は被害者の自宅のリビングルームで起きた。おそらく1人でいる時に、自分で淹れたコーヒーを飲んで毒殺されたのだ。毒物の混入経路は、水道か、ペットボトルか、ケトルか、カップか?そして犯人は?...
 実は犯人は事件より前に、最初の1章で早くも提示される。いわゆる倒叙形式だ。だから読者の楽しみは犯人探しではなく、天才物理学者の湯川の協力を得て警察が犯人を捜し当てる過程の追体験と、犯行の方法の推理だ。
 この犯行方法が本書の一番の見どころと言って過言ではない。警察の面々ではお手上げなのはまだしも、今回は湯川でさえ苦戦する。曰く「理論的には考えられても、現実的にはありえない」「~これは完全犯罪だ」

 例によって私もあれやこれや考えながら読んだ。犯行方法のトリックは分からなかったが、それなりにポイントはつかめていた。いや、著者がちゃんと分かるようにヒントを配置しておいてくれたのだ。読者があれやこれやと考えることができるように。
 内海という女性の刑事が登場するのだが、テレビドラマの企画で創造された人で、本書と「ガリレオの苦悩」から原作でも登場するようになったらしい。この人がいることによって、犯罪捜査以外のドラマ性も加わった。

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新しい読書の形「親子読み」の提案

 今日はちょっと気負って、新しい読書の形を提案してみたいと思います。それは「親子読み」。これは、私が入っているSNS「本カフェ」のフリーペーパー創刊号に私が書いた記事を基にしています。

 「親子読み」とは私の造語で「親子で同じ本を読む」「その本のことを親子で話す」ことをいいます。小さな子どもを対象とした読み聞かせとは違い、時間的に一緒に読む必要はありません。対象の子どもも小学校高学年から大学生ぐらいまで、つまり意見の交換ができれば広く対象とします。
 そして、本を読むこと自体よりも、読んだ本を薦めたり感想を伝えたりといった、親子のコミュニケーションの方に重きを置きます。SNS「本カフェ」のキャッチフレーズの1つは、「ページを閉じたら伝えたくなった」で、その伝える相手が一番身近な家族であったらどうだろう、と思ったことが「親子読み」を思い付いたきっかけです。

書影

 私の家でも、私が読み終わるのを娘が待ち構えていてすぐに読んでしまうことがあります。そんな時には本の話題で会話が弾みます。そんな「親子読み」にオススメな本が「精霊の守り人」から始まる「守り人」シリーズです。「アジアン・ハイ・ファンタジーの旗手」と形容される著者の代表作です。
 本書が「親子読み」にオススメな理由は、まずストーリーが巧みで面白く読みやすいこと、そして年齢や性別を越えた読者への魅力があることです。本書は児童書に分類されますが大人にも読み応えがあります。
 いや、このような消極的な言い方では充分ではなく、大人にも積極的に訴えてきます。本書には、国の成り立ち、自然に対する畏敬、宿命、親子、仲間など様々なテーマの問いかけがあるのです。子どもは子どもなりに、大人は大人なりに感じることが必ずあり、伝えたいことができるはずです。

 最後に、「年齢層や性別を越える」「精霊の守り人」とそれに続くシリーズは、「親子読み」だけではなく、「夫婦読み」「友達読み」「仲間読み」等にもオススメです。

関連記事
・本読みな暮らし:カテゴリー「上橋菜穂子(守り人)」
・本カフェブログ:本カフェ「ファンタジー好きな人」コミュニティ
 

砂漠

書影

著 者:伊坂幸太郎
出版社:実業之日本社
出版日:2005年12月15日 初版第1刷 
評 価:☆☆☆☆(説明)

 著者の2005年の描き下ろし作品。2008年に同じ出版社から「Jノベル・コレクション」というレーベルで、ソフトカバーの単行本も出ている。大学生を主人公とした青春小説。大学生が主人公ということでは「アヒルと鴨とコインロッカー」もそうだが、本書の方が「青春」成分が多く配合されている。

 主人公は北村、仙台の国立大学に入学したばかりの男子大学生。物語の始まりは、4月第一週のクラスコンパだ。そこで、鳥井(男)、南(女)、東堂(女)、西嶋(男)の4人と出会う。「俺、鳥井っていうんだ」とか「練馬区から来た、南です」なんて自己紹介なんかしたりして、冒頭から「青春」の甘酸っぱい香りがする。
 そして、鳥井のマンションに押しかけてって麻雀はするわ、夏にはこの男3女2で海に出かけるわ、男は合コンに余念がないわ、片思いや告白があるわで、「青春」が加速する。あとは夕日に向かって叫ぶシーンがあれば..と思うが、そこまで行くと冗談になってしまう。
 その手前のギリギリのセンで留まることで、「砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ」というセリフにもリアリティが感じられる。もちろん「砂漠に雪を降らす」リアリティではない。「その気になれば何でもできる」って、あの頃は思えるんだよなぁ、というリアリティだ。

 これでは、くっついたり離れたりの恋愛系ライトノベルのようだが、著者の作品だからもちろんこれで終わりではない。犯罪組織との確執を軸としたミステリーあり、著者の持ち味の伏線あり、個性が際立つキャラクターもありで、伊坂ワールドが結晶したような作品だ。伊坂ファンにもそうでない人にもオススメ。
 そうそう、著者の作品には作品間のリンクがあることで有名だが、本書にもチラっと「チルドレン」の「あの人」が出てくる。そして「チルドレン」を読み返すと、この本の「この人」がちゃんと出ている。つまり相互リンク。著者は、チルドレンの時点でこのリンクを仕込んだということなんだろうか?

 本書で、これまでに単行本として出版されたアンソロジー以外の著者の作品は、すべて読んだことになりました。コンプリート達成!
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きつねのはなし

書影

著 者:森見登美彦
出版社:集英社
出版日:2006年10月30日 発行 11月20日 2刷 
評 価:☆☆☆(説明)

 著者の2006年の作品。表題作「きつねのはなし」と「果実の中の龍」「魔」「水神」の4作品を収めた短編集。単行本としては「太陽の塔」「四畳半神話大系」の次、「夜は短し歩けよ乙女」の前の作品だ。
 このようなことを書いたのは、本書の趣がその前後の作品とは大きく違うからだ。これまでの作品は、大学生のグダグダな生活を描いた、笑いの中に青年の屈折を包んだものだった。ところが本書は、京都の街が持つ「妖しさ」に焦点を合わせてグッと寄った作品で「異色」と言ってよいだろう。

 4編はそれぞれ独立した作品だが、共通の人物が登場するなどして、緩やかなつながりがある。「芳蓮堂」という名の古道具屋、そこの女主人、怪しげな客、からくり幻燈、そして胴の長いケモノ。こうしたものがそれぞれいくつかの作品に登場し、効果的に「妖しさ」を演出している。そして、妖しい余韻をたっぷりと残して物語は終わる。

 「異色」ということについてだが、京都は人口の1割が大学生だと言われる「学生の街」であり、1200年の歴史が層となって積もった「歴史の街」でもある。学生時代からこの街に住む著者が、大学生の暮らしを描く一方で、目に見えぬ歴史の層が醸し出す「妖しさ」を描こうとしたのは自然なことであったと思う。
 そして、神社の灯篭やお祭りの提灯の朱い灯のような「妖しさ」を描く方向性は「宵山万華鏡」へとつながる。以前「宵山万華鏡」のレビューに、「やっと森見さんがやりたかった物が...」というコメントをいただいたことがあった。今なら、私にもそうしたつながりを2つの作品の間に感じることができる。

 本書で、これまでに単行本として出版された著者の作品はすべて読んだことになりました。コンプリート達成!
 「森見登美彦」カテゴリー

 この本は、本よみうり堂「書店員のオススメ読書日記」でも紹介されています。

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テラ・ルネッサンスII

書影

著 者:田原実 絵:西原大太郎
出版社:インフィニティ
出版日:2009年12月14日第1刷発行
評 価:☆☆☆(説明)

 株式会社インフィニティ・志経営研究所様から献本いただきました。感謝。もっと前にいただいていたのですが、紹介が今になってしまいました。

 タイトルから分かるように、以前に紹介した「テラ・ルネッサンスI」の第2弾。「「心を育てる」感動コミック」シリーズとしては、「かっこちゃんI」などにつづく6冊目の作品となる。今回もウガンダやコンゴでの元子ども兵支援や、カンボジアでの地雷除去支援などを行っている、NPO法人テラ・ルネッサンスと理事長の鬼丸昌也氏の活動が綴られている。

 ここで語られている真実は、私たちの(少なくとも私の)想像力を越えている。冒頭登場する少女は、ツチ族とフツ俗の民族対立に巻き込まれ家族をなくし、森の中や難民キャンプでの悲惨な境遇の中を一人で生き抜いてきた。他の男性たちは、子ども兵として戦い、足を失ったり視力を失ったりして故郷へ戻るものの、「人殺し」とののしられる。
 しかし今は、テラ・ルネッサンスの現地スタッフとして、かつての自分と同じような境遇の子どもたちを支援したり、技術を身につけて生計を立てたりしている。絶望の淵から這い出してきて、希望を見出して自分と家族の生を歩んでいる。
 「人生は要約できねえんだよ」とは、伊坂幸太郎さんの作品中のセリフだが、彼らの人生をこの本書が要約し、さらにそれを私が要約したこんな文章では、何ひとつ伝わらない。せめて本書を読んで想像力を振り絞れば、彼らの人生を少し理解できるかもしれない。

 テラ・ルネッサンスの活動は「無力感」との戦いでもある。世界には推定7000万個とか1億2000万個と言われる地雷を1つづつ破壊していく地雷除去の活動はもちろん、元子ども兵は30万人いると言われ、救える人数を上回る人数の新たな子ども兵が日々誕生している現状は、ほとんど何もできないに等しく感じる。
 しかし「微力ではあるが、無力ではない」それが鬼丸氏がこの活動を始めた想いで、おそらく今も精神的支柱なのだ。この言葉は、我々にも問いかける。「どうせ何も変わらない」ではなく、自分ができる「微力」を尽くそう。少しの時間とかお金とか能力とか、それを誰かのために使おう。

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本好きのためのSNS「本カフェ」メルマガ購読(無料)のオススメ

 私が参加している、本好きのためのSNS「本カフェ」では、管理人さんのジーナフウガさんが、オススメの本の書評とSNSでの話題のメールマガジンを発行しています。だいたい毎週月曜日に配信されるのですが、今日配信の号に私の書評を載せていただきました。

 今回の書評はしばらく前に載せた、小川洋子さんの「猫を抱いて象と泳ぐ」のレビューを基にしたものです。メルマガの書評は、ジーナフウガさんとSNSメンバーが分担して書くことになっていて、いつになるかはまだ決まっていませんが、いずれまた私の番が回ってきます。その時にはまたイチオシの本を紹介したいと思います。

 私のことはともかく、書評を書くのはジーナフウガさんをはじめとするオンライン書店bk1の「書評の鉄人」や、人気書評ブロガーさんが多数いるSNSのメンバーさん。ですから、本選びのハイクオリティな情報がメールで皆さんの元に毎週届けられます。この機会に購読(無料)してみてはいかがですか?
 登録は右サイドバーか、こちらのリンクからどうぞ。

f植物園の巣穴

書影

著 者:梨木香歩
出版社:朝日新聞社
出版日:2009年5月30日 第1刷発行 6月10日 第2刷発行
評 価:☆☆☆(説明)

 私が初めて読んだ著者の作品「家守綺譚」に似た雰囲気の作品、という話を耳にして手に取ってみた。「似た雰囲気」の意味が10ページも読んだあたりで分かった。本書の世界は、この世ならぬ者たちがごく自然にそこに存在する世界なのだ。「家守綺譚」で河童や鬼、狐狸妖怪の類がいたように。
 とはいえ、本書はホラーでもオカルトでもない。登場するこの世ならぬ者たちは、焦ると犬になってしまう歯科医の家内、雌鶏頭になる大家、ナマズ顔の神主らで、他人を脅かしたり、ましてや害をなす者ではない。普通にそこに存在する。ここは、そういう異界なのだ。

 主人公は佐田豊彦、植物園に勤務する技官で1年近く前にf植物園に転任してきた。1年以上放置していた歯痛が、いよいよガマンならなくなって歯科医に駆け込んだあたりから異界に踏み込んだらしい。窓口で薬袋を差し出した手が犬のそれだった。
 上に書いたように、その手は歯科医の家内の手だったのだが、そのことを歯科医に訴えたところ、帰ってきた返事が「ああ、また犬になっていましたか。」だ。ここから物語は夢の中のようにフワフワした非現実の世界に漂いだす。妻が犬になっていても動じない世界では、何も確実なのものとして信じられない。

 本書を読んでいて思い出したのは、ジョージ・マクドナルドの「リリス」。トールキンらに影響を与えたと言われる、ファンタジーのルーツのような作品で、浅い夢を見ているような、まさに「幻想文学」だ。夢の中のような異界をさまようということと、そこから醸し出される雰囲気が本書と似ている。
 「リリス」は宗教的な含みを持った生と死を扱った物語だが、本書は主人公の心を映す物語だ。途中で水の中を下に下にもぐっていくのは、心の奥へ奥へと進むことを表しているように思う。そこで出会ったものは、主人公の心にひっそりとあった、しかし決して消えることのなかった何かだった。

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ビーケーワンからギフト券他をいただきました

 書評の投稿をしたり、時々ポイントをいただいたりしてお世話になっているオンライン書店ビーケーワンから、ギフト券やキャンペーンのお知らせをいただきました。

 1つ目は誰でも使えるギフト券。3,000円(税抜)以上の買い物でお一人一回限り、300円券として使えるギフト券です。何冊か本の購入を予定されている方は使ってみてはいかがでしょう?具体的な使い方は、下の枠内をご覧ください。

■ギフト券ご利用方法■
1)ご注文いただく書籍を買物カゴに入れる
2)買物カゴで【レジへ進む】ボタンをクリックする
3)【お支払方法選択画面】で、「bk1ポイント・ギフト券を利用する」にチェックする
4)ギフト券入力欄にギフト券コード[09affivc01080131]を入力する
5)ギフト券300円分が適用となり、ご注文金額の合計から300円分が差し引かれる

■ ギフト券の有効期限■
2010/01/31(日)23:59までご利用いただけます。

■ ご注意■
※税抜3,000円(送料・手数料を除く)以上ご注文の場合にご利用いただけます。
※このギフト券はモバイルビーケーワンではご利用いただけません。
※お一人様が同一のギフト券コードを複数回使用することはできません。
※一度のご注文で複数のギフト券コードを使用することはできません。
※ギフト券コードを紛失した場合、払い戻しや再発行はいたしません。
※ご注文完了後にギフト券を適用することはできません。
※不正な使用が発覚した際はアカウントを停止し、相応の損害賠償請求などを行なわせていただく場合がございます。

ギフト券の利用方法の説明ページはこちら

 2つ目は、10,000円以上(税抜)購入の予定がある方にさらにお得なキャンペーン(2月1日まで)です。
 10,000円以上購入の方には1,000ポイント、30,000円以上で3,000ポイント、50,000円以上では何と5,000ポイントがプレゼントされます。30,000円以上の場合はさらにボーナスポイントも。1ポイント1円ですから、実質的には約10%のキャッシュバック!たくさん本を買う人にはすごくいい話だと思います。詳しくは下のリンクからどうぞ。
オンライン書店ビーケーワン:10,000円以上購入でいずれかプレゼント!
 

レインツリーの国

書影

著 者:有川浩
出版社:新潮社
出版日:2006年9月30日 発行 
評 価:☆☆☆(説明)

 本書は著者のベストセラーシリーズの1冊「図書館内乱」に登場する本。スピンオフ作品ということになるが、「図書館内乱」の出版が2006年9月10日、本書は9月30日だから、著者は両方の作品をおそらく並行して用意していたことになる。
 実はそのあたりのことは、あとがきで著者が説明してくれている。この本のテーマは「図書館内乱」でも重要な位置付けを与えられている。著者にとって重みのあるテーマだったために「図書館内乱」の中には収まりきらなかった、ということらしい。

 「図書館内乱」を読んだ方なら、本書のことは知っておられるだろう。教官の小牧が幼なじみの毬江に渡した本だ。図書隊員がこの本を渡したことが、毬江の同級生たちの未熟な正義感を刺激してしまう。なんだか持って回った言い方になったが、「図書館内乱」を未読の方にはネタバレになるので、核心部分は言えない。
 それは、著者もできれば核心部分を知らないで読んでもらいたい、と思っているのではないか?と思ったからだ。残念ながら私はそういう読み方は叶わなかったが、それでも核心が明らかになった時に、それまでに著者が施した仕掛けにヒザを打つ場面があった。この感触は、その核心部分を知らないで読むことで一層鮮明になるはずだ。

 主人公の伸とひとみは共に20代。二人が出会うきっかけは、中学生のころ読んだ「忘れられない本」。ひとみがブログに書いた、その本についての「10年目の宿題」を、伸が見つけてひとみにメールを送る。..本の感想をブログに書いている身としては、ムズムズして落ち着かない展開。
 正直に言うと、スピンオフ作品を侮っていた。「「図書館内乱」に出てきたあの本が実際にあったら面白いかもね(もっとひねくれて言えば、売れるかもね)」という程度のモノだと思っていた。ところがこの本は「直球のラブストーリー」で、思いのほか心を揺さぶられた。

 気になったのは1つ、伸の言葉が多すぎて煩わしいこと。一生懸命なのは分かるが、何もかもを言葉にしてメールで相手に投げつけている感じ。上に書いた著者の仕掛けも伸がベラベラと明かしてしまうし。でも、元々そういう性格のヤツには違いないんだけれど、こんなふうに長々とメールで伝えなければならない理由も伸にはあった、と読み終わってしばらくしてから思い至った。

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