私は別人(上)(下)

著 者:シドニィ・シェルダン
出版社:アカデミー出版
出版日:1993年10月10日発行 12月10日第7刷
評 価:☆☆☆(説明)

 スーパースターのコメディアンのトビーと、妻のジルの2人の人生が織り成すドラマ。原題はA stranger in the mirror。
 シェルダンだし、超訳だしで、最後まですんなりと読み通した。ストーリーにも起伏があり(失敗しそうになっても、すんでのところで救われるといった)、よくできた娯楽作品だと思う。敢えて言えば、ハラハラドキドキやドンデン返しはなく、途中からは予想できた結末へ向かって淡々と進む、という感じがちょっと残念だった。
 トビーは、出会う女性と片っ端から寝て、思い通りにしてしまうし、その誰からも恨まれていないという何とも幸せな人生を送ってきている。もちろん、最初は少し苦労するけれど、1度世に出てからはスランプもない。ジルは、苦労人だがわがままでもあり、一本調子な感じがする。
 ジルの幼馴染のデビットは、どういうわけか、ずっとジルのことを思い続けていて、それなのに最後になって、ジルの昔の過ちを知って去って行ってしまう。訳者も同じように思ったらしく、「デビッドはどうしてジルを許してやらなかったのか」と書いている。意外な結果と言えばそうだが、腑に落ちない意外な結果はドンデン返しとは言わない。

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